列車内にドライフラワーの真空パック、なぜ? 「素敵な取り組み」「中吊り広告って面白い」

太田 浩子 太田 浩子

 ドライフラワーの中吊り広告を見た「Last scape _最後の風景」(@last_landscape)さんのXへの投稿が話題になりました。

「たまたま乗り合わせた列車の中吊り広告が面白かった。規格外で売り物にならなくなった花たちをドライフラワーとして真空パックにし、車内に掲出。掲出終了後に再度回収し希望者に持ち帰ってもらうらしい。最近の名鉄は目の付け所が変わってきていて、これからの取り組みが楽しみだ。」

 添付された画像には、中吊り広告の場所に、少量ずつ束になったドライフラワーが透明ビニール袋に入れられてぶら下がっています。リプ欄には、グリーンとともに黄色や赤のさまざまな花がある車内に癒されるという声が寄せられました。

「素敵な取り組み」
「中吊り広告って面白い 色んな可能性を感じる」
「あー☺️いいですねー💐 みっちみちに混んだ車内でも、一心不乱にスマホに夢中な人達を見ずに、顔を上げたらカラフルなお花🌼🌸が見えるなんて、素敵💕 後々頂けるなら欲しいな😊」
「先週だったかしら?この車両に遭遇しました 植物があると華やかになりますよね」

 ドライフラワーが飾られたのは名古屋鉄道(本社:名古屋市中村区)の車両で、「車内と世の中を明るくする『うえむくとうわむくプロジェクト』」第1弾とのこと。花卉(かき)出荷量全国1位の愛知県内で課題になっている「フラワーロス」問題を知ってもらうきっかけになればと企画されました。

 車内のドライフラワーは、少し茎が曲がっていたり、予定より早く咲いてしまい捨てられてしまうような規格外の花を使って、ドライフラワーフローリストが制作しています。10月28日から11月17日まで掲出されたあと、20日から名鉄名古屋駅改札内で無料配布されました。

 名古屋鉄道の広報担当者さんによると、「ドライフラワーの配布期間は11月20日~22日を予定していましたが、初日に100個全て配布終了するという嬉しい誤算となりました」と、実際の反響も大きかったようです。

「従来の広告という枠にとらわれず、時代にマッチしたアイデア、クリエイティビティを組み合わせることで、中吊りにはまだまだ新しい可能性があることを再認識させられました」と手応えを感じたそうで、第2弾も検討中とのこと。

 列車の中吊り広告についてXに投稿した「Last scape _最後の風景」さんにもお話を聞きました。

──ドライフラワーの広告をおもしろいと感じられたのですね。

 ドライフラワーの真空パックがそのまま中吊り広告として掲示されていることにまず驚きましたが、車内の広告媒体を通じてフラワーロスを訴え、さらに鉄道利用者に持ち帰ってもらうことで実際にロスを削減するというアイデアに感動しました。

 近年ではスマートフォンの普及で車内広告を見る人はほとんどいなくなっていますので、広告媒体の在り方について改めて考えていく必要があるのかなと思います。

──なるほど。「これからの名鉄の取り組みが楽しみ」とコメントされた理由は?

 先日、名鉄布袋駅高架下に開業したMOKU KICHI(※)が、旧駅舎の歴史を伝承するだけでなく、コンクリートの高架下に木造空間を創出するというアイデアに斬新さを感じたので。

※「MOKU KICHI(モクキチ)」:犬山線・布袋駅高架下の商業施設。愛知県内で産出された木の枠を見せた内装が特徴的。10月23日開業。

■Last scape _最後の風景さん情報
 見納めとなる風景を写真に記録することをテーマに更新。時々つい足を止めてしまうような珍しい風景も取り上げています。
 ・X https://x.com/last_landscape
 ・インスタグラム https://www.instagram.com/2010last_landscape/

■名古屋鉄道HP https://top.meitetsu.co.jp

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