受験生を抱える親にとって、期待や不安、プレッシャーはつきもの。職場の同僚Lさんもそのひとりで、中学受験と大学受験を控えた2人の子どもを支える中で、日常の出来事すら「受験」に例える癖がついてしまったようです。
マンション選びも受験戦略?
ある日のランチタイム。同僚たちで住宅購入について盛り上がっていると、Lさんの“受験脳”が炸裂しました。
「A物件とB物件、どちらがいいと思う? どっちも最高の物件で…」と新婚の同僚が話していると、Ⅼさんが「それは灘にするか開成にするかってことだよ。どちらも魅力的。両方にそれぞれの素晴らしさがあるよね」と発言。
「最難関の学校と同じで、現地を何度も見学して、自分に合った方を選ばなきゃ!」と熱弁をふるうLさんに、同僚たちは「Ⅼさん、それほぼ受験の話になってるよ」と突っ込みつつ、思わず笑ってしまったのでした。
健康診断も合格ライン?
健康診断の結果が返ってきたときのこと。ある50代の同僚が「コレステロール値がまた高くて…。といいながら、ビールをやめるのも難しいし」と悩みを打ち明けていると、すかさずLさんが反応。「それも合格ラインがあると思えばいいのよ!毎年判定基準が厳しくなるのも、受験と同じでしょ!」
「再検査にならないように、合格ラインギリギリを目指して超えればOK」というLさんの持論に、「健康診断と受験を一緒にするの? 再検査しなくていいことを『合格』とは言えないでしょう」と苦笑い。しかし、ついついLさんのユニークな“受験脳”的な発言に引き込まれてしまうのでした。
大掃除も“受験計画”のごとく!
12月に入り、それぞれの家の大掃除の話題になったときのこと。同僚たちが「お天気のこともあるし、計画的に掃除しなきゃね」と話していると、Lさんが真顔で「大掃除も受験と同じよ!各科目(=各部屋)ごとにスケジュールを組んで少しずつ進めないと、最後は徹夜になるからね!」と語り始めました。
「お風呂場は英語、窓ガラスは数学、キッチンは総合科目…どれかをさぼると合格点に足りなくなるのよ!」と、掃除エリアを科目に当てはめて説明するLさんに、同僚たちは「掃除の合格基準ってなんだろう…」と、半ば呆れてしまうのでした。
旅行の準備も“予習”が大事?
20代の同僚たちが京都旅行の計画を立てていたときのこと。何を食べるか、どこを回るかなど、ワクワクしながら話していたところ、またまたLさんが登場。「旅行も受験みたいに準備が大事よね!」と語り始めました。
「大学受験は同じ大学でも出願日とか出願条件がバラバラなのよ。ちゃんとスケジューリングしておかないと、大変なことになるよ!」「スケジュール表を完璧に作成しないと!当日不測の事態が起きても対応できるようにしておかないと」と熱弁するⅬさんに、旅行を楽しみにしていた同僚たちは「行き当たりばったりの旅行も楽しいのにね」と苦笑いを浮かべるしかありませんでした。
飲み会での席順も“推薦席”?
会社の忘年会の計画をしている時のこと。席順をどうするか話し合っている際も、Ⅼさんは「人気席は早い者勝ちで確保していかないと!」と独自の理論を展開。「指定校推薦をとるには、先生からの評価ってとても重要なのよね。上司(先生)に良く思われるようにアピールできる席が重要なのよ!」と語り始めました。
飲み会ですら“受験フィルター”で見てしまうLさんの独特な視点が注目を集めたのでした。
あなたの周りにも、“受験脳”の持ち主、いませんか?
周囲の話題をことごとく受験になぞらえてしまうというLさんの“受験脳”は、子どもたちの受験へのプレッシャーの表れかもしれません。受験が終われば、Ⅼさんの会話は変わるのでしょうか? それとも、新たな“戦い”に備えた別のたとえ話が登場するのでしょうか…。あなたの周りにも、こんな“受験脳”の持ち主、いませんか?
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▼37歳 中学受験
この方の気持ちが痛いほどわかります。毎日寝ても覚めても、受験の事しか考えていない気がします。合格率とか、学校の倍率とか、偏差値とか、子どもに付きまとう数字しか今は信用できません。
▼45歳 高校受験
うちの子どもが高校受験目前です。中学校の内申点と調査票をもって学校選びをしています。学校見学をすると、うちの子どもに合う合わないが顕著にわかることもあり、行きたい学校には、内申点が足らなかったり、倍率が高かったりして、右往左往してしまう自分がいて、受験と一口に言っても、奥が深いなと思います。私の人生観というか考え方も変わったし、あたまの中は受験でいっぱなので、この方の例え話もわかります。
▼49歳 大学受験
アニメや映画で例えられてもわからないので、受験で例えられてわかりやすいと思いました。すべての例えが的を得ているような気がします。うまいですね。
▼50代 大学受験
親が意識しすぎても、親が必要以上に不安がっても仕方ないですよね。今はいろんな形の大学入試があるし、受験で親がストレスなのはわかるけど、受験とは関係ない人たちにもその不安を出してくるのは、周りにとっていい気はしないと思います。ひっそりと、自分の中でこらえるものなんじゃないでしょうか。この方みたいに、職場の会話でさえ例え話が全部受験ということは、家庭ではもっと受験の話をしているのかと思うとゾッとしました。