傷ついた子猫
徳島県在住のYさんのもとに、4年前のある朝突然現れたのが、今ではかけがえのない家族となった「卍丸(まんじまる)」くんです。
2020年7月13日、職場に到着したYさんの耳に、切なげな子猫の鳴き声が響きました。
玄関付近で見つけたのは、顔に痛々しい傷を負いながらも必死で助けを求める小さな命。Yさんは「なんとかしてあげたい」と感じながらも、仕事のためその場を離れるしかありませんでした。
ですが、その後、運命が卍丸くんをYさんのもとへ導きます。
「勤務中、上司が『対応に困っている』と卍丸を箱に入れて連れてきたのです」
上司から「この子を引き取ってくれないか」と相談され、Yさんはすぐにご主人に連絡を取りました。偶然にも、その日はご主人の誕生日。「これは運命だ」と直感したYさん夫妻は、迷わず卍丸くんを家族に迎える決断をしました。
最初の一歩は慎重に
その日の夜、Yさん宅にやってきた卍丸くん。すでに先住猫のコムギちゃんがいたため、初日はケージ越しでのご対面に留め、慎重に対面の様子を見守りました。その後は別の部屋で隔離しつつ、卍丸くんのお世話が始まりました。
新しい環境にもすぐに慣れてくれ、人馴れしていた卍丸くんは、ご飯ももりもり食べてトイレもすぐに覚えました。
その愛らしい姿を見ながら、「名前はどうしよう?」と考えていたYさんご夫婦。ご主人が「卍丸」と提案したのは、漫画に登場するキャラクターからの発想でした。当初、Yさんは他の候補も考えていましたが、時間が経つほどに自然と「卍丸」が馴染んでいき、最終的にこの名前が定着したそうです。
甘えん坊の卍丸くんがくれる毎日の幸せ
現在4歳となった卍丸くんは、とにかく甘えん坊で、Yさんにぴったりと寄り添ってくれる存在です。毎晩一緒に眠り、朝はYさんが仕事に出かける時間をきっちり覚えているかのように玄関までお見送りに来てくれます。
玄関での「いってらっしゃい」のスキンシップは、卍丸くんにとってもYさんにとっても、日課であり大切な時間となっています。
家族以外には少しビビりな一面もある卍丸くんですが、後から迎えた妹猫のおむすびちゃんやおはぎちゃんとは仲良し。そんな微笑ましい姿に、Yさんも家族も温かい気持ちを日々もらっています。