ラジオ関西『サイケトリップストリート』27日に放送1800回 ニッチな音楽 休まず届け続け35年

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“あまのじゃく”を自称する石井氏は、自らヒット曲は選ばない。その一貫した姿勢で一回も休むことなく放送を続けてきた。1995年の阪神淡路大震災の折にも、「(京都から、当時神戸・須磨区にあったラジオ関西の)傾いたスタジオまで、がれきの中をバスや徒歩で行った」と、石井氏は振り返る。

 様々な変遷も経験した。タイトルは当初『ミュージックトリップ』だったが、その雰囲気から “各国の音楽を通して世界旅行気分を味わえる番組”を連想したリスナーが、実際とのギャップに仰天するケースが出てきたのもあって、現在タイトルに変更したそう。さらに大きな変化は、深夜放送だったのが早朝番組になったこと。公園で犬の散歩をしながら聴いてくれるリスナーなど、深夜帯と異なる出会いも得ていると石井氏は話す。

 放送開始当初30代だった年齢は74歳に。心持ちなどは「まろやかになってきた?」と尋ねると、間髪入れず「ない!」との回答。「とんがってる。無理してでも。絶対にカーペンターズはかけへんし」とユーモラスに話したのち、一転表情を引き締め「変わったら意味がない」と断言した。

 一方で「これ(1800回)で辞めるつもりだった」とも。理由は、特にこだわる1960年代から80年代の音楽を引き継いできたミュージシャンたちが鬼籍に入るなどして、その時代のテイストを映した新曲を届けにくくなってきたからだという。

「辞め損なった」と笑いながら、「本音でしゃべれる、自分をさらけ出せる」とラジオへの愛着を示した石井氏。「リクエスト特集は(リスナーへの)罪滅ぼし」と自認するほどの独自路線を貫くニッチな番組は、これからもNo Future! の叫びとともに未来への扉をたたき続ける。1800回目の放送は27日(日)午前5時から30分間。radikoでは、放送後約1週間聴くことができる(レギュラープランの場合)。

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