みなさんは、仕事から帰宅したらまず何をしますか。花王株式会社(東京都中央区)が実施した「帰宅後の入浴」に関する調査によると、「帰宅後すぐの入浴」をしている人は3割以下にとどまることがわかりました。一方、帰宅後すぐの入浴をしている人の約8割が「夜の時間の過ごし方の満足度が高い」と回答したそうです。
調査は、全国の20~50代の男女1000人を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。
まず、普段の生活で「帰宅後すぐの入浴を行っている頻度」を調べたところ、「帰宅後すぐの入浴を毎日している」と答えた人は27.1%、「できる日にしている」と答えた人は24.4%、食事の後や寝る前など「帰宅後すぐの入浴をしていない」と答えた人は48.5%となりました。
帰宅後すぐの入浴を「毎日している」「できる日にしている」と答えた515人に対して、「夜の時間の過ごし方の満足度」を聞いたところ、76.0%の人が「帰宅後すぐの入浴をした日のほうが満足度が高い」と回答。
この結果について、4万人以上の入浴を研究した“入浴研究”の第一人者である東京都市大学の早坂信哉教授は、「仕事などで興奮している自律神経が帰宅後すぐに入浴をすることで、リラックスのスイッチへと切り替わり、寝るまでの時間をより長くゆったりとした気分で過ごすことができるのでしょう。その結果、夜の時間の過ごし方の満足度が高いことにつながったのだと考えます」とコメントしています。
また、帰宅後すぐの入浴をしている人からは、「寝るまでの時間をより有意義に過ごせる」や「お風呂の時間を気にせず、落ち着いてゆったりできる」などをメリットとして実感している声が寄せられました。
続けて、帰宅後すぐの入浴を「毎日している」「できる日にしている」と答えた515人に、「帰宅後すぐの入浴をした翌日のパフォーマンス」について聞いたところ、48.4%が「翌日のパフォーマンスが上がった」と回答。
早坂教授は、「疲労は緊張することで蓄積しますが、早くリラックスモードになることで緊張も解け、良い睡眠にもつながりますので心身共に十分疲労回復も進みます。結果、次の日のパフォーマンスが上がることにつながったと考えています」とコメントしています。
最後に、「帰宅後すぐの入浴をする習慣を始めた時期」を教えてもらったところ、75.5%が「2年以上前」から生活に取り入れていることがわかりました。
また、「帰宅後すぐの入浴をするための工夫」として「朝に寝巻も用意しておく」や「お風呂掃除をすませておく」といった“入浴前の準備のためのハードルを下げる”意見が多く寄せられており、継続することが困難ではない工夫をしている様子がうかがえました。
早坂教授は、「簡単なことで構わないので少しでも入浴後の準備をあらかじめしておくことが『帰宅後すぐの入浴』のメリットを享受しつづけるためのコツです」とコメントしています。