景気不安は「結婚・出産意欲に影響する」9割以上 男性の方が多い結果に

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景気不安が「結婚・出産意欲に影響する」と答えた社会人が9割以上――そんな調査結果が、パーソルキャリア株式会社(東京都千代田区)が運営する調査機関『Job総研』による「2024年 日本経済の意識調査~賃金・物価編~」でわかりました。また、結婚・出産意欲について「景気不安が影響する」と答えたのは、いずれも男性のほうが多くなったそうです。

調査は、同社が運営する匿名相談サービス『JobQ Town(ジョブキュータウン)』を利用する全国の20~50代の社会人男女282人を対象として、2024年8月〜9月の期間にインターネットで実施されました。

はじめに、「現在の景気への印象」を聞いたところ、「景気の悪さをとても実感」は20.6%、「景気の悪さを実感」が26.6%、「どちらかといえば景気の悪さを実感」が27.0%となり、約4人に3人が「景気の悪さを実感派」(74.2%)となりました。

景気の悪さを実感すると回答した209人にその理由を聞くと、「娯楽などに気軽にお金を使えない」(66.0%)、「自身の節約志向が強まっている」(46.9%)、「外国人観光客の増加」(28.2%)といった回答が上位に挙がりました。

さらに、「現在の賃上げの実感」については、「全く実感がない」が34.8%、「実感がない」が12.1%、「どちらかといえば実感がない」が9.9%と「実感がない派」が56.8%で過半数を占めており、男女別では女性の67.0 %に対して男性は51.4 %と、女性のほうが賃上げを実感していないことがわかりました。

続けて、「現在の消費意欲」を尋ねたところ、「とても消費意欲がある」が4.2%、「消費意欲がある」が12.8%、「どちらかといえば消費意欲がある」が37.6%で「消費意欲がある派」が54.6%で過半数を占めました。

消費意欲があると回答した154人の理由としては、「購入したいものがある」(42.2%)、「普段から必要品のみ購入している」(31.8%)、「生活水準を変えたくない」(30.5%)などが上位に挙がっています。

次に、「現在の景気不安」について尋ねたところ、「とても不安がある」が25.9%、「不安がある」が31.6%、「どちらかといえば不安がある」が33.7%で「不安がある派」が91.2%に上りました。

また、今の日本経済で「不安を覚える項目」については、「物価の上昇に賃金が追いつかない」(73.8%)、「年金だけでは老後の生活費が足りない」(62.1%)、「税負担による家計負担の増加」(59.2%)といった回答が上位に挙がりました。

なお、景気不安が「結婚に影響する」と答えた人は93.7%、「出産意欲に影響する」と答えた人は94.4%となり、特に20代では「結婚に影響する」が98.4%、「出産意欲に影響する」が97.0%で最も多くなっています。

さらに、景気不安が「結婚に影響する」と答えた割合を男女別にみると、男性が95.0%、女性が90.7%と男性のほうが多くなり、「出産意欲に影響する」と答えた割合でも男性のほうが多く95.6%、女性は92.7%となりました。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は、「賃上げが物価高に追いつかない状況による現場の我慢や実生活の負担がこれまで以上に強まっている傾向が見られました。特に現役世代である20代が景気による結婚・出産に対して最も不安を感じている状況は、今後も少子化が助長されるだけでなく日本経済の成長に関わってくると考えられます」と述べています。

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