解体迫る大阪・ミナミの「味園ユニバース」で音楽フェス「関西音酒場」開催 来年1月18日に

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大阪・千日前のシンボルとして知られた「味園ビル」が来年5月をもって取り壊される。惜しむ声が相次ぐ中、サヨナラ公演のひとつとして来年1月18日に音楽フェス「関西音酒場」が開催されることが決まった。音とお酒に酔う、をコンセプトに今回は「THEラストキャバレー」と銘打ち、大阪出身の矢井田瞳、ウルフルケイスケをはじめ、山下久美子や原田真二、演歌の香西かおりら様々なジャンルのアーティストが出演するのが特徴だ。仕掛け人に話を聞いた。

”音に酔う”をコンセプトに、のりピーも賛同

関西音酒場はもともとKiss FM KOBEのラジオ番組のコーナーから生まれ、2019年にユニークな音楽フェスとしてスタートした。「音とお酒に酔う」をコンセプトにジャンルを超えた多様なアーティストが参加。これまで兵庫・ハチ北での野外ライブや大阪市中央公会堂などユニークな会場で開催され、のりピーこと酒井法子も過去に3回出演している。

味園ユニバースでの開催は昨年の4月に続いて2回目。関西音酒場の仕掛け人でフリーイベンターの宮﨑将光さん(49)は「わたしたちにしかできない組み合わせになっており、冒険心とレア感が特徴。バーレスクな空間で大人の音楽と雰囲気を楽しんでもらえたら」と話す。

また自身もエレナファウンデと言う名で音楽活動をしており「ありがたいことに横のつながりがどんどん増えて行き、様々なアーティストの方がイベントに出演くださってます。特に原田真二さんは、レギュラーのようになってくれています」と敬意を表す。

大物アーティストも味園ユニバース公演を楽しみに

その原田真二さんと言えば「キャンディ」「タイム・トラベル」「シャドー・ボクサー」などのヒット曲で一世を風靡。その後は音楽プロデューサーとして活躍している。また今回は矢井田瞳や香西かおりといったビッグネームも出演することになったが、決め手となったのは味園というネームバリュー。宮﨑さんは「ダメ元でお願いしたら、すぐにOKとなった。味園がラストとなることが響いたんだと思う。他では見られないコラボレーションになる」と意気込んだ。

さらに今回は「赤道小町 ドキッ」「バスルームから愛をこめて」のヒット曲で知られる、あの山下久美子も出演するが、これもMCとして参加するFM COCOLOのDJマーキーさんとのつながりで決まったものだ。

「味園ユニバース」はかつて日本最大級のキャバレーだった

舞台となる味園ビルは1956年にオープン。宴会場やサウナ、ホテルなどを備え、かつては日本最大級のキャバレー「ユニバース」があったことでも知られる。深夜に流れるCMは昭和生まれの関西人にはなじみ深く、バブル期の象徴のような場所でもあった。

その後、キャバレーが閉館になると1階と地下1階がライブ会場に。2階部分はアングラ感やサブカルチャー感に富んだディープな飲み屋街となり、最近ではインバウンドにも親しまれてきた。また2015年には渋谷すばる主演による映画「味園ユニバース」の舞台にもなった。

ただ、時代の波にはあらがえず、老朽化が進んだことで「魔窟」とまで言われた個性的な飲み屋街は年内で店舗を閉めることに。ビルそのものも来年の5月をもって70年近い歴史の幕を閉じることになった。今回のイベントをサポートする芸能事務所「ヴィーナス」の古屋安弘さん(56)は「われわれが若いころは多くのお客さんで賑わい、関西を代表するキャバレーでしたもんね」と振り返りつつ「最近は若い人からは一度行ってみたかったとよく聞きます。そんな場所がなくなるのは寂しいですが、その前に公演できるのは、感慨深い」と話している。

出演者は他にFLYINGKIDS浜崎貴司、ビートボックスLyn、ジ・白川バンド、空団地、ajihengとバラエティ豊か。チケットはすでにイープラス及び関西音酒場オフィシャルホームページ(https://kansaiotosakaba.com/)で発売中。会場は450席で開場14時、開演15時で公演時間はたっぷり5時間を予定しており、多様な音楽にどっぷりと酔えそうだ。

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