オートマでも「エンスト」する!? 前触れなく発生することも…「慌てず落ち着いて対応を」整備士が解説

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

エンストはMT車特有の症状と思われがちですが、オートマでもエンストは発生します。エンストの原因や、どういった症状が出るのか?エンストしたときの対処法について、現役の整備士が解説します。

エンストとは?

エンストとは「エンジンストール」の略語で、動いていたエンジンが不意に止まってしまうことを指します。「エンジンストップ」と勘違いされることが多いですが、「エンジンストール」=エンジンが停止するという言葉からきています。

エンストはエンジンの回転運動がなんらかの原因で阻害され、回転運動を維持できずにエンジンが停止してしまうことで発生します。その原因をご紹介します。

▽エンストが起こる原因の一覧

エンスト(動いていたエンジンが停止してしまう)主な原因と具体例を簡単にまとめました。ひとえにエンジンといっても様々な部品から構成されています。どれかひとつでも異常や故障が発生すると、エンストするリスクがあります。

【制御システムのトラブル】センサー類の不具合、コントロールユニットの不具合
【点火系統のトラブル】スパークプラグの寿命や、イグニッションコイルの不良等による失火
【燃料系統のトラブル】ガス欠、燃料ポンプの不具合、インジェクターの不具合
【吸気系統のトラブル】エア吸い、電動スロットルバルブの故障や汚れ(カーボン)の蓄積
【排気系統のトラブル】降雪地帯でマフラーに雪が詰まってしまい、排気ガスが排気されない
【シフト間違いでの走行】Rにシフトしてるのに、急勾配の道で前走方向に走行してしまう

▽症状別にみる考えられる原因

次にエンスト発生時の症状別に考えられる主な原因についてまとめました。

【短時間の間に徐々にパワーダウン、エンジンがガタつき止まる】ガス欠を含む燃料系統のトラブル
【突発的にエンジンがガタつき止まる】吸気系統のトラブル
【前兆なく急にエンスト(走行中・停車中問わず)】制御システムや点火系統、電動スロットルバルブの不具合
【アクセルを開けておかないと、アイドリング保持できずにエンストする】電動スロットルバルブの不具合、制御システムの不具合
【アイドリング不安定からのエンスト】あらゆる部位の不具合が考えられる
【走行中に突発的にエンスト】AT/CVTの不具合、走行方向と逆方向にシフトしての走行、点火系統や電動スロットルバルブの不具合、制御システムの不具合
【急勾配に差し掛かったときに、徐々にエンジンがガタつきエンスト】ガス欠、燃料ポンプの不具合
【エンジンルームから「シュー」という空気の漏れでるような音がしておりエンストすることがある】吸気系統に破れや損傷、ホース抜け等があってエア吸いしている(二次空気を吸っている)

※補足(MT車でのエンスト症状)
エンジンがガタつき、走行がギクシャクする→低速なのに高いギヤにシフトして走行している
発進時クラッチを繋ぐときにエンスト→誤って高いギヤに入っている、クラッチミート・半クラのミス

エンストはオートマでも起こりうる

走行中または停車時のアイドリング中のエンストは、MT車やAT車を問わずに発生します。
エンストは発進ミスしたMT車にだけ起きるものではなく、エンジンを積んだ車であればどんな車でも起こり得ます。

また、オートマ内部の不具合や、急勾配の道で進行方向とは逆向きにシフトした状態で走行してしまうなど、エンストの原因のなかにはオートマ車でしか起こりえないものもあります。

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