災害時にペットを守る必需品は? 被災地で活動する救助犬ハンドラーに聞いた

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

愛知県豊橋市を拠点に活動する民間の捜索救助犬活動団体「捜索救助犬 HDS K9」(@HDSK9_V)さん。災害時の捜索救助はもちろん、防災イベントで活動内容を紹介したり、ペット同行避難の啓発、訓練展示などを行っている。

この日、救助犬の活動を紹介する訓練展示のイベントで、日頃の成果を披露していた捜索救助犬、リッターくん。

ドイツ語で「騎士」を意味する名前を持つリッターくんは、10歳になるベルジアン・シェパード・マリノアのオス。令和6年の元旦に発生した「能登半島地震」の倒壊現場や、8月末に発生した愛知県蒲郡市の土砂崩れ現場でも行方不明者の発見に貢献した、優秀な捜索救助犬だ。

そんなリッターくんの訓練展示中の可愛いNG場面がX(旧Twitter)に投稿されると、多くの反響が寄せられた。

「はいっ!戻りましたっ!」

「靴に前脚乗せてる」
「ハンドラーさんを確保してる!」
「まっすぐにハンドラーさんを見つめる瞳が可愛いです」
「ねぇねぇ!次の指示はっ?早く早く!という気持ちが溢れすぎてお手てが思わず前に出ちゃった…そんな感じに見えます」

「捜索救助犬 HDS K9」さんに伺ったところ、これはトレーニングの基本となる、犬を呼んで正面に座らせるコマンド「呼び戻し」の場面なのだとか。

「呼び戻しとは、いわゆる、『おいで』や『来い』などといった言葉で表現されることが多いコマンドです。この時のリッターは戻りが早く、勢いが良過ぎて距離が詰まり過ぎたため、私の足の上に前足が乗っかってしまいました。たまにあることです」(捜索救助犬 HDS K9さん)

活動資金は寄付金。ハンドラーは仕事を持つ一般人

現在、日本で活動する救助犬団体の多くは、民間のボランティア団体だ。「捜索救助犬 HDS K9」さんもそのひとつ。所属するハンドラーの方々は我々と同じ、仕事を持つ一般市民。犬たちはハンドラーさんやトレーナーさん個人の大切な愛犬だ。

人命救助中にハンドラーさんや犬たちが事故に遭ったり怪我をしても、国や自治体などの公的な支援や補償は一切ない。

「普段の私たちハンドラーは皆さんと同じく、仕事を持っている一般人です。犬たちはいち家庭犬として生活しています。仕事との両立は大変厳しいですが、毎日短時間でもトレーニングを行い、それ以外にも、個人レッスンや遠方でのレッスンにも通っています」(捜索救助犬HDS K9さん)

避難時に備えて必ず「クレート」の準備を

今回のリッターくんの可愛いNG場面に続けて、「救助犬が出動するような事態が起こらないのがいちばんです」とつぶやき、お家でくつろぐ犬たちの写真をXに投稿していた捜索救助犬HDS K9さん。

しかし、災害大国・日本で暮らす以上、ペットの飼育者は大事な家族の一員を守るため、最低限の準備をしておく必要がある。

災害発生時、犬たちと共に過酷な被災地に赴き、困難な状況下での救助経験を持つ捜索救助犬HDS K9さんに、被災時にペットの命を守るための備えについて聞いた。

「自宅避難が出来るのであれば、『ペット用の飲食物や常用薬』など、毎日必要な日用品などの準備をしておくことが大切です。避難所であれば、外出時や外泊時に使用するであろう物を準備すること。とくに『クレート』と、クレートに繋げて使用する『金属のチェーン』は必須です」(捜索救助犬HDS K9さん)

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース