大雨の中、上半身裸でドイツ車「BMW」を洗車する写真が、SNS上で衝撃を与えている。洗車する男性によると、「水道水より雨水の方がきれいになる」という。実は、知る人ぞ知る、洗車方法だった。
雨の日の洗車の方がボディに優しい?
X名・だいごさん(@daigoro_MI6)。関東在住で、車好きの大学4年生だ。近夏に「BMW435i」を購入し、「自分の車は自分で面倒を見たい」との思いで洗車している。
雨水の有用性に気付いたのは3年前。雨の日、実家のカーポート下で洗車していた際、「雨だからいいか」と拭き上げなかった。翌日、車体に白い粉が浮き、再度洗車をするはめに。しかし、雨ざらしだった部分はきれいだった。調べると、雨水は水道水よりカルキが少ない―との説を知った。
「洗車は晴れの日にやるものだと思われがちですが、晴れの日はすぐに水道水が蒸発してシミの元になるんです。曇りや雨の日にやることで水道水やシャンプーが乾かずに済むので、ボディにも優しいんです。雨が弱いと水分の供給量が足りないので、強い雨の日がおすすめです」
洗車方法は①車を雨ざらしにし、水道水で予洗い②洗車用の泡シャンプーを使ってモップ状のマイクロファイバーで洗う③泡を水道水で流す④雨ざらしにする―のみ。拭き上げはしないという。「洗った直後に走ると、自車や対向車がはね上げた泥水で汚れるので、乾くまで乗れませんが…」と説明する。
ちなみに、洗車写真は実家で母が撮影したもの。上半身裸だった理由は「実家が田舎にあるので通行量はほぼなく、目撃されても知り合いなので大丈夫かなと(笑) 洗車後はすぐお風呂です」と話した。
水に含まれる成分を調べると…
秋田県を拠点にする洗車に詳しい「ビューティフルカーズ」の村上篤社長によると、洗車後にの水による汚れを「水シミ」と呼ぶ。水道水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているため、洗車後に蒸発すると白く粉のように残るという。
同社は、水ジミの原因となるミネラルがどれくらい含まれているのか、水道水と雨水、不純物を含まない「純水」の3種類で実験。水の電気抵抗を計測し、ミネラルが溶け込む「イオン濃度」を測定すると、水道水50ppm、雨水1ppm、純水0ppmだった。
「雨水は地面の水が蒸発した蒸留水なので不純物は少ないだろうと予想していましたが、ここまで低い数値なのは驚きでした。水道水のミネラルは地域によって異なりますが、1トンに大体20~170gが含まれています。雨水の方が断然、洗車に適しています」。また、水道水と雨水を車のボディに垂らして乾かす実験も行っており、水道水は頑固な水シミになったが、雨水は跡がほとんど残らず、拭き上げるとツヤツヤのボディを取り戻した。
村上社長自身も自社製品の純水器ができるまで雨水で洗車していたという。「夏場は前面に虫が付いて固まってしまうこともありますが、雨水洗浄であれば漬け置き状態になるので簡単にふやけます。あと、『洗車した後に雨が降っちゃう』と残念がる声もありますが、雨の日に洗車すればその後は絶対に晴れるので、気持ちよく過ごせます」