【動画あり】東京直下地震が発生したら?地震発生後3日間を生き抜く方法【知る防災プロジェクト】

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8月8日に日向灘を震源とする地震が発生し、気象庁から南海トラフ地震臨時情報が発表されたことから、防災意識が一段と高まったという方も多いと思います。

日本気象協会では、様々な災害に対する防災の知識や、日頃の備えを伝える「tenki.jp知る防災」プロジェクトを推進しています。今回は、国営東京臨海広域防災公園のご協力のもと、「tenki.jp知る防災」に協賛いただいている企業のご担当者さんとともに、防災体験学習施設『そなエリア東京』にて、“東京直下72hTOUR”の体験をしてきました。

エレベーター内で地震に遭ったら?余震が繰り返される街中での正しい行動は?避難所ではどのように生活する?など、そなエリア東京で学んできた大地震発生後の72時間を生き抜くための知恵について紹介します。


防災体験学習施設『そなエリア東京』とは?

私たちが訪れたのは、東京都江東区にある防災体験学習施設『そなエリア東京』です。ここは、防災体験学習ツアー“東京直下72hTOUR”を中心とした施設で、「首都直下地震発生から72時間を生き抜く」というテーマで防災体験学習をすることができます。
大地震発生後は人命救助が優先されるため、無事だった人は支援が整うまでの72時間、つまり3日間を自力で生き残らなければならなくなります。
今回は、国営東京臨海広域防災公園 管理センター長の長谷部隆介さんにご案内をいただきました。


“東京直下72hTOUR”を体験

“東京直下72hTOUR”の参加者ひとりひとりにタブレットが配布され、合計で6問の問題が出題されます。参加者は問題を解き、生き抜く力を学んでいくことができます。

今は冬の12月、夕方6時、駅ビル10階のシネマフロアにいるという想定で、エレベーターに乗ったところから、“東京直下72hTOUR”がスタートしました。
不穏な音とともにエレベーターが揺れ、真っ暗に。エレベーターの中で地震に遭ってしまった時に取るべき行動は、「すべての階のボタンを押すこと」です。最寄りの階でエレベーターを降りるようにし、万が一閉じ込められてしまったら、非常ボタンを押しましょう。

ビルの外に避難すると震度7の揺れによって、倒壊してしまった建物や倒れた電柱、中がぐちゃぐちゃになって火の手が上がっている商店など、現実とは思えない光景が広がっていました。

まず、傾いたビルの前に移動するよう指示が出ました。【傾いたビルの「定礎」を見て、建物ができた年は何年?】という問題が表示されました。目の前の傾いているビルの定礎を確認してみると、昭和34年施工と書かれています。長谷部さんによると、昭和56年前後で建物の耐震性には違いがあり、古い建物には近づかずに避難することが重要だということです。

続いて、倒壊した家の前に行くと【倒壊した家のまわりで起こりそうなことはどれ?周りの様子を確認してみよう。】という問題が表示されました。周りを確認するとあちこちで火災が発生していました。長谷部さんによると、木造の家が密集した地域では火事が広がりやすく大規模火災になる危険があるそうです。火の広がる速さは歩く速さよりも遅いため、ゆっくりと落ち着いて避難を始めることが大切とのことです。避難の際はなるべく広い場所、広い道を選んで避難することが重要だと教えてくれました。


転倒防止対策の重要性を学ぶ

家の中の様子が良く見えるセットの前に移動すると、片方の部屋の中は家具がすべて倒れ、倒れた家具で部屋から出るドアを塞いでしまっている状況でした。このセットは、転倒防止対策をしていた場合としていなかった場合の部屋の中の様子を比較して見ることができるものです。転倒防止対策の重要性がわかりますね。地震による負傷の30~50%が家の中の転倒防止対策をしていなかったことによる怪我だと言われているのだそうです。南海トラフ地震などの大きな地震に備え、まず自分の住んでいる家の中で怪我をせずに生き残るために、転倒防止対策がいかに重要かということが学ぶことができました。


避難場所での自助・共助 避難所での生活や在宅避難のメリット・デメリットとは?

地震の揺れで被害を受けた街を避難すると、地震発生後に自分の命を守るために緊急的に逃げる場所である「避難場所」に着きました。ここでは、応急救護や自助・共助の在り方を学ぶことができるようになっており、ここでも、生き抜く知恵を学ぶクイズが参加者に出題されます。

最後に、避難所での避難生活と在宅避難を学ぶ展示のご案内をいただきました。
避難所の様子の絵を見てみると、目隠しがありません。発災直後や避難所が開設された直後というのは、すぐには段ボールなどの間仕切りの設置は難しいのだそうです。小さいお子さんがいらっしゃるご家庭は避難所では安心して授乳できるスペースが整っていないことを想定した備えを準備しておくことが大切です。

在宅避難は、プライベートの確保という点は避難所よりは明らかに優れており、アレルギー対応の食糧備蓄などそれぞれの家族にあった備えを整えられる一方で、行政や区市町村からの支援情報は届きにくいといった点がデメリットとなるようです。長谷部さんは、在宅避難を選択した場合は、近くの避難所に最新の情報を取りに行くことが大切だと教えてくれました。


“東京直下72hTOUR”の体験を終えて

“東京直下72hTOUR”を体験すると、地震後に自分がどういった状況、環境に置かれるのか、具体的にイメージをすることができるようになり、その具体的なイメージをもとに日ごろの備えを考えられるようになります。

一緒に体験した「tenki.jp知る防災」の協賛企業の皆さんにご感想をいただきました。

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