パッケージにD51の写真がプリントされていて鉄道ファンの私は、これだけでわくわくしてくる。それを外すと円形のプラスチック容器がSLの前面を模したものになっていて、SLぐんまをけん引する「D51 498」の文字が見えて黒さが重厚感を演出。箸袋にも同様の文字が躍り、箸にまで印字されていて、今まで出合った駅弁の箸の中で最も印象に残り、記念に取っておくこと必至のものとなっている。蒸気機関車に乗った気分になってふたを取ってみた。
カマといわれるボイラー室のふたを開けたせいか中は釜飯風の仕上げになっている。赤はエビ、梅漬け、かまぼこ。黄色はタケノコ、栗で緑はバランで補っている。黒は椎茸だけかと思っていたら、おかずの下に控えるのは竹炭ご飯。カマの中の石炭が思い出され、黒い容器に黒いご飯がミステリアスで、SLをモチーフにした駅弁らしく他に類を見ないこだわりがあって、その発想に拍手を送りたい。
バランの下に眠る舞茸つくだ煮は甘みがあってご飯とマッチ!パラパラの竹炭ご飯は一緒に食べることで椎茸のだしやタケノコ煮のみずみずしさをしっかり受け止めている。
魚は入っていないが、榛名豚チャーシューや鶏肉焼きは予想通りの味を展開。エビは殻付きなので終盤に食べたい一品だ。
高崎名物のだるまをほうふつさせる丸いおかずは三つ。梅漬けはサクサクと歯応えよく梅干しほどの酸っぱさはない。甘い栗の甘露煮と、真っ白なウズラの卵まで量がしっかりあってお腹一杯になること間違いなしだ。
1350円。高崎線・高崎駅「高崎弁当㈱」☎0273462571