マルチーズとダックスフンドの血が入っているとおぼしきミックス犬、フロマージュ。飼い主が死亡し、借家に取り残されました。
飼い主の親戚が1日1度訪れ、エサを与えてくれていたとのこと。借家の契約も期限が迫りますが、フロマージュを引き取ろうとする人はいませんでした。
元飼い主は生前、全く世話をしていなかった様子
飼い主はフロマージュを知り合いの外国人から譲り受けたようですが、生前から明らかに適切な世話をした様子はありませんでした。関節ごとにガチガチに固まった毛玉、伸び切った爪。人間に強い不信感を抱き、飼い主が亡くなった際に警察官が訪れた際には、噛みつこうとしたそうです。
フロマージュの存在を知ったのは、飼い主の葬儀を行った業者。業者は知り合いの犬猫の保護ボランティアに相談を持ちかけました。そして、後に保護団体、Delacroix Dog Ranchがフロマージュの保護に向かいました。
噛みつくどころか「助けて」と自ら歩み寄ってきた
「警察官に噛みついた」という話を聞いていた団体メンバーはある程度覚悟しながら向き合いました。フロマージュは噛みつこうとする素ぶりなどせず、「僕を助けて」と言わんばかりに自ら歩み寄ってきました。すぐに連れ帰り、体中にまとわりつく毛玉をカットし丸刈りに。すると、つぶらなかわいい瞳を見せてくれました。
動物病院での検査で、重篤な持病がないこともわかりました。きれいになった体でしばし団体が提携する預かりボランティアさんの家で世話を受けることになりました。
穏やかな性格で猫ともすぐに仲良しに
預かりボランティアさんの家には小さな子どもや保護猫が過ごしています。この場でもフロマージュは、うれしそうに挨拶。すぐに環境に馴染み、特に保護猫とはいつも一緒に遊ぶ仲になりました。一度も連れて行かれたことがなかったのか、当初はうまく歩けなかった散歩も、すぐにマスター。散歩道ではうれしそうにクン活し、ワンコとしての本来の喜びを取り戻していくようでいた。
ケージに入れようとすると、自由な生活を奪われると思うのか、嫌がる様子を見せることがありましたが、問題はそれくらい。普段はいたって穏やかな優しいフロマージュでした。
そして、フロマージュのかわいさ、性格の良さに一目惚れした里親希望者さんが現れました。これまでの経緯を全て知った上での譲渡希望で、「一生に寄り添い続けたい」と言います。
フロマージュも、初めて見る里親希望者さんを前にすぐに懐き、一定期間のトライアルを実施することになりました。双方に問題がなければ、このままフロマージュはずっとのお家をつかむことになります。幸せな犬生を送る日が早く訪れますように。
Delacroix Dog Ranch
https://ddranch.jp/