「大きな地震が来れば…皆連れての避難は難しい」犬猫たちと運命を共にすると決めたボランティアの覚悟に共感「命をかけて君たちを守る」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「大きな地震が来れば当然一緒に住む動物達も大きな不安を抱えることになります
家族がいない時に地震が来たら
私は 犬1匹と猫3匹(ミルボラっ子もいるかもしれない)
皆連れての避難は難しいと思っています
その時は この仔たちと運命を共にすると決めてます
避難所に連れて行くこともしません
もちろん 私の元から手放す事もしません
手元に置いた以上どの仔も離しません
自分が助かってもその後 一生後悔するのは耐えられません
海抜3メートルの半島に住む
私の決心です」

大切な家族…「『置いていく』とか有り得ません」

大地震が来た時に一緒に暮らしている動物たちと避難せずに運命を共にする、とX(旧Twitter)に投稿しためぐさん(@1_taketoyo)。愛猫家や愛犬家らから共感のコメントが多数寄せられ、注目を集めました。

「我が家も同じ考えです ヒトも自宅集合と決めてます にゃんずは大切な家族 預かりっ仔や乳飲み子も同じく大切な家族なので『置いていく』とか有り得ません」
「私も同じよ 一緒に避難しても良い結果になるとは思えないし、一人だけ助かりたいとはあり得ない」
「私もどこへも行かないと迷うこともなく決めてます 家族も絶対お家に集合って決めてます 家の中にも外にもニャンズがいますからね」
「はじめまして 3ニャンの母さんです 私も同じ気持ちです 『母さんは命をかけて君たちを守るからね』としつこく話してます 避難所も行くのは無理だとおもってます 同じ気持ちの方がいらっしゃるのが嬉しいです」

多くの人たちから「私も同じ」と共感を呼んだ投稿。大地震が起きた時の“備え”と行動とは? めぐさんに聞きました。

投稿主は愛知県の知多半島在住、南海トラフ地震想定エリア

――宮崎・日向灘で8日に起きた震度6弱の地震を受けて発表した南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の呼びかけが、先日15日に終了しましたが、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではありません。お住まいは海抜3メートルの半島とのことですが。

「私の住んでいるエリアは、愛知県の知多半島の真ん中辺り武豊町に住んでいます。家から海まで歩いて2分、南海トラフ地震が来た場合の予想マグニチュードは5と言われています」

――これまで避難レベルの地震は起きたことはありますか。

「生まれて半世紀以上ここに住んでいますが 避難レベルの地震はありません」

――今回大きな地震が起きたら暮らしている動物たちと「運命を共にする」と投稿したのは?

「たまたま 保護団体の代表の方のポストで地震が来たら、『家猫だけ連れて保護猫は放流』という意見を見て、それはできないと思いポストしました。たとえ預かりの子猫達でも最後まで命を守る義務があると考えております」

犬猫4匹、ミルクボランティアの子猫、高齢者と暮らす

――大きな地震が起きた場合の備えとともにどのような行動をとるか、教えてください。

「人用と動物用の水、食料は確保しています。ポストした通り犬1匹と猫3匹、また愛知県動物愛護センターからのミルクボランティアの子猫がいた場合は1から3匹ほど。90歳の高齢者1人、そして主人と娘がおりますが 不在の場合は全てを1人で支えて避難は不可能だと考えています。自宅が3階建てなので 3階に垂直避難を想定しまして、それでも予想を上回る津波が来た場合は最後まで皆と一緒にいて運命を共にするつもりです」

――最近はペットと避難できる避難所を整備している自治体もありますが。

「私が住む武豊町は同行避難は許可されていますが 同居は不可能なため動物だけのスペースを確保してくださるそうです。その場合、1匹ずつのキャリーケースの中での保護となるとかなりのストレスを与えることになります。また投薬やミルクを与える必要があると避難所でのお世話は確実に無理です。人が大変な状況の中で 動物たちに充分な環境を与えられるとは思えません」

自宅での待機となる覚悟

――自宅で動物たちと運命を共にする覚悟があるというのは、あらためてその思いをお聞かせください。

「うちの場合、車椅子での高齢者や犬、猫、災害グッズを持っての移動はほぼ不可能です。高台への移動も車では渋滞を招くだけだと思います。巨大地震が起きて 町の中の状況も混乱している中、自分の家の都合で周りの方々に迷惑はかけられません。そうなるとやはり、自宅での待機となる覚悟です」

――投稿に対して、共感のコメントがたくさん寄せられました。

「私のポストに対するリポスト、コメントを見ていただくと分かりますように、ペットは今ではご家族さまにとって家族の一員です。災害が来たとき、見捨てて自分だけ助かろうと思っている方は少ないと感じます。また仮に助かったとしても、避難所での苦痛が少しでも少なくなるように考える余裕のある時に行政の方々にはシステムを構築しておいていただきたいですね」

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の呼びかけが終了しましたが、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではなく、私たちはこれから来るかもしれない地震に備えなければなりません。動物と暮らしている方々はぜひめぐさんのように“備え”、そしてどのように行動するのか、いまいちど考えていただけたら幸いです。

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