Z世代の約8割が「出生率の低下が心配」と回答――そんな調査結果が株式会社サンマリエ(東京都新宿区)が運営する結婚相談所『サンマリエ』による「Z世代の理想の結婚」に関する意識調査で分かりました。Z世代が出生率の低下を心配する理由にはどのようなことが挙げられたのでしょうか。
調査は、都内在住のZ世代(20〜26歳)の男女105人を対象として、2024年7月にインターネットで実施されました。
調査の結果、全体の80.9%が「合計特殊出生率(※)が低下していることを心配している」(非常に心配32.3%、やや心配48.6%)と回答しました。
(※)合計特殊出生率とは、15〜49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、1人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの平均子ども数に相当します。なお、本調査では、合計特殊出生率を「出生率」と表記しています。
また、「出生率が低下していることを心配している」と答えた85人に対して、その理由を複数回答で尋ねたところ、「若年層の経済的負担が増すから」(64.7%)が最も多く、次いで「少子高齢化がさらに加速するから」(52.9%)、「医療や介護の負担が増すから」(48.2%)といった意見が上位に挙がりました。
さらに、「出生率が低下していることの原因」を全回答者に尋ねたところ、「経済的不安」(57.1%)、「十分な子育て環境の不足」「仕事と子育ての両立の難しさ」(いずれも46.7%)といった回答が上位に並んだほか、「子どもが好きではない人の増加」(8.6%)という意見もみられました。
そのほか、自由回答では、「政府の支援の薄さ」(20歳)、「女性の社会進出」(23歳)、「独身が一般的になった」(21歳)、「結婚の魅力がない」(25歳)、「児童虐待が増えていることで自分が子どもを持つことに対して不安を抱いている人もいる」(25歳)といった声も聞かれました。
次に、「理想の結婚年齢」について尋ねたところ、「25歳以上~30歳未満」(57.1%)が圧倒的に多くなった一方で、「結婚したくない」(10.5%)という回答も約1割みられました。
「結婚したくない」以外を回答した94人に対して、「理想の結婚相手に求める条件」を教えてもらったところ、「一緒にいて安心できる」(61.7%)、「経済的な安定」(45.7%)、「金銭感覚の一致」(43.6%)といった回答が上位に挙がりました。
また、「結婚後に子どもを持つ意向」については、「子どもを持ちたい」が67.0%、「持ちたくない」が14.9%という結果となっています。
そこで、「結婚後に子どもを持ちたい」と答えた63人にその理由を尋ねたところ、「子どもが好きだから」「両親に孫を見せたいから」(いずれも38.1%)、「子どもと生活すると楽しそうだから」(30.2%)といった意見がTOP3となりました。
最後に、「別居婚」についての考えを聞いたところ、全体の58.1%が「肯定的」(とても肯定的11.4%、やや肯定的46.7%)であることが分かったそうです。
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このような調査結果を踏まえて同相談所は、「今後は多様な家族形態に対応した社会制度の整備やワークライフバランスの改善、子育て支援サービスの充実など、若い世代が安心して結婚し、子どもを育てられる環境づくりが重要と言えるでしょう」と述べています。