再婚夫の連れ子とケンカ…無視されたまま、娘は高校卒業して独立 数カ月後に届いたメッセージに号泣「血のつながりは関係ない」「素敵な娘さん」

谷町 邦子 谷町 邦子

「離れて暮らせど、距離が近くなった感覚」

無視されたまま2カ月が経ち母の日に。販売業で働くぽに豆さんに、先述のメッセージがLINEで届きました。上司との連絡のため、ぽに豆さんは仕事中もスマホを持ち歩き、メッセージに気がついたのは他のスタッフもいる店内のことでした。

「投稿した通りの文と『お花を送ったんで』『大好きだよ』って書いてあって。スタッフの子たちに『ちょっと電話する』と店の裏に引っ込んで。全部読んだら仕事にならないので、サッと読んで閉じました」

帰宅後、届いたお花を見て、ぽに豆さんは感動して涙。心から「良かった」とうれし泣きをするなんて貴重な体験だと思い、娘のLINEに「ありがとう」と返信したところ、すぐに電話がかかってきてきました。「娘はわんわん泣きながら『ごめんなさい、ごめんなさい』って。かわいかったです」

その日を境にLINEや電話のやり取りが活発になり、娘とはいろんなことを話せるように。「今までのは何だったんだろう、心のとげがぼろぼろ落ちる感じ。離れて暮らしてるんですけど、距離が近くなったような感覚です」。

娘から失敗した話などを聞いても「この子は大丈夫」と受け止められる余裕が出てきたそうです。

「普通の親がどんなものなのかわからなかった」

さて、娘との間にケンカが絶えなかったことには、ぽに豆さん側の事情もあったようです。「私が親とうまくいってないんです。今でいうところのモラハラ的な態度を取られていて。毒親ではなく個性が合わなかったとは思ってるんですが…」

親に認めてほしいあまり、親の望む仕事に就き、親の喜ぶ結婚をしましたが、離婚してしまいます。「家の恥だから帰ってくるな」と絶縁状態に。ぽに豆さんは家族を作る自信を失ってしまいました。

「まさかもう1回結婚して、子どもに恵まれるとは。覚悟して親になったつもりだったけど、普通の親がどんなものなのかわからなかったんです」

ネグレクトされていた娘に健康や精神面でもきっと悪影響があったのはわかるものの、どう対応すればいいのか。子育ての正解とはいったいどんなものなのか。「彼女が苦労しないように後悔しないように言ってるお説教とかも、彼女にとってはすごくストレスになっていたのだと思います」

子育ての悩みを誰にも相談できず、一緒にいるのが苦しくなり、娘が出て行った時には「一生この子に愛してもらえない」とまで思い詰めるほどに。だからこそ、母の日のプレゼントとメッセージには喜びで号泣してしまったのです。

「彼女が早めに手を差し伸べてくれたことが、自分の方が親なんだけど助けてもらったって思えて、家族ってものがよくわからない私にとって救いでした」

◇ ◇

今回のエピソードには「今の母は後妻さんです。昔から、実の母より大好きで、でも、厳しくて、大人になってから、実の子供ではないのに、厳しくするのは色々葛藤があって大変だっただろうなぁ、なんて感心してます」「私が高校生の頃、母親が再婚して、義父が出来ました。義父もう亡くなりましたが、私の子供たちを本当の孫のように可愛がってくれました。血のつながりは関係ないんだなと思っています」など、血縁のない親から育てられた子ども時代を振り返るコメントが多数ありました。

また、「私にも産んでない娘がいます。気持ちが分かりすぎて…号泣」「わたしも只今娘と戦争中でお気持ちお察しします」といった親の立場からの共感、「長女が今の夫にとって養女なので同じような気持ちでいるみたいで…いつか理解出来る日が来ることを願っています」と実親の立場から継親を案じるコメントもありました。

ぽに豆さんは娘との歩みを振り返り、「人間同士は難しいし、難しいから面白みがあるんですね。いくつになっても学ぶことっていっぱいあるし、人生って何が起こるかわからない」とぽに豆さんは語ります。投稿に共感したり勇気づけられる人がいればうれしいとのことでした。

■ぽに豆さんのThreadsアカウント https://www.threads.net/@ponimame312?xmt

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