すっかり家飲みが定着したせいか、空前の「炭酸水ブーム」が拡大中なのだとか。そういえば、コンビニでもスーパーでも炭酸水コーナーが充実している。元々味がないため、違いを気にしたことはなかったが、最近では「泡」や「味」にまでこだわった商品も増えているのだとか。これだけ種類が増えると、どれを選んでいいか悩んでしまう。そこで今回は、最新の炭酸水事情を取材した。
バーテンダーに聞く炭酸水の使い分け
健康志向や、家飲みの際の割材としてのニーズの高まりもあり、各メーカーからバラエティ豊かな「無糖炭酸水」が続々と登場している。炭酸の強さや、フレーバーの有無などにそれぞれ工夫が見られるが、はたしてどのように使い分けるのが正解なのか? 兵庫・神戸にあるBAR SAVOY hommage(サヴォイ オマージュ)のオーナー 森﨑和哉さんに、楽しみ方を聞いてみた。
「海外の発泡系に多く見られる【微炭酸水】は、例えば明るい昼下がり、ランチタイムにいかがでしょうか?流行中の【強炭酸水】は、割材に使用すると、お酒やフルーツジュースなどの素材の味わいを、ガツンとくる爽快感で引き出してくれます。レモンなどの【フレーバー付き炭酸水】は、スポーツやアウトドアなど、アクティブに過ごす一日にピッタリです」。
ミシュラン店でも採用!国産の「天然炭酸水」
ものは試し!と、いうことで気になったいくつかの商品を、実際に試してみた。
まずは、株式会社ハーベスの「奥会津金山 天然炭酸の水」。福島県・金山町の雪解け水が大地に染み渡り、長い年月をかけて湧き出した、日本では珍しい天然の炭酸水だ。優しい泡がパチパチとはじける【微炭酸】で、まろやかな口当たりの良さが印象的。刺激が強すぎないので、お刺身など繊細な味の和食と合わせても邪魔をせず料理の味を引き立ててくれそう。JALのファーストクラスや、国内外のミシュラン星獲得レストランで採用されているのも頷ける。
フレーバーも多様化 一線を画す「ホップ」
続いては、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)の「北海道富良野ホップ炭酸水」。グループ会社のサッポロビールが育種開発した「フラノビューティ」を使用した【フレーバー付き】の炭酸水だ。フレーバー付き炭酸水の主流といえば柑橘系だが、それらとは一線を画す「ホップ由来」のユニークな商品。ホップの爽やかな香りと、ほろ苦さや青っぽい甘さは、BBQや海などのアウトドアシーンに合わせたい!ビールが飲めない日のノンアルドリンクとしても活躍しそうだ。
「強炭酸」のこだわりは泡のきめ細やかさにまで
【強炭酸】カテゴリーでは、特に多くの商品がしのぎを削る。サントリーが先月28日に発売したのは「サントリー天然水 SPARKLING」。口に含むと「バチバチ!」と音がするぐらいガツンと刺激的な炭酸ガス圧の強さはもちろん魅力だが、実は「泡のきめ細かさ」もウリ。グラスに注いでみると細やかな泡が延々と立ちのぼる様子が目でも確認できた。
バーテンダーの森﨑さんによると「割材としては泡のきめが細かいものの方が、混ぜ合わせる際に素材との一体感が出やすい」とのこと。確かに、ハイボールにしてみるとお酒の香りがフワッと立ち上がりいい感じ。氷を入れても炭酸がへたらないタフさもある。喉に直接感じる炭酸の強い刺激を、唐揚げなどのガッツリ系料理に合わせれば『仕事終わりの最強の一杯』だ。
「炭酸水は味がない」なんてイメージは、捨てた方がいいのかも。シュワーと広がる炭酸の刺激でストレス発散、これからの暑い季節も爽快に乗り切れそうだ。
◆中口のり子 芸術系大学卒業後、出版社にて地域情報誌の企画提案や取材などを担当。結婚・出産を経て、デザイナー&ライターとしてフリーランスに。ラジオ関西の情報サイト「ラジトピ」への寄稿ほか、大阪・兵庫を中心に活動。グルメから美容まで、最新の流行がいち早くキャッチできるこの仕事は天職!?