神戸ハイボールの作り方…20年前と現在の比較動画に驚き 「炭酸の舌ざわりが変わるの?」【バーテンダーに聞いた】

山脇 未菜美 山脇 未菜美

神戸発祥のお酒で、氷を入れないウイスキーのソーダ割り「神戸ハイボール」。その作り方の変遷を現した比較動画が、X上で注目を集めている。約20年前は、ソーダ瓶を垂直にして勢いよく入れていたというが、現在はグラスの縁にソーダを添わせながら丁寧に注ぐのが印象的。作り方が変化した理由とは―。

投稿したのは、X名・“まきの”というバーテンダーさん(@dartendermakino)。兵庫県内在住で、バーテンダー歴19年目。お酒にまつわる豆知識をSNSで発信している。

氷を入れないウイスキーのソーダ割り

神戸ハイボールのルーツは、神戸・三宮にあった伝説のバー「コウベハイボール」とされる。名物だったのが、氷を入れないウイスキーのソーダ割り。薄くならず、最後までウイスキー本来の味を楽しめるのが特長だ。立ち飲みスタイルで、カウンターに所狭しと並んだ客の9割がこのハイボールを注文したとの逸話も残る。

まきのさんは、「←20年前に習った神戸ハイボール →現在習う神戸ハイボール」と題して2本の動画をアップ。20年前は、冷凍庫で冷やしたグラスとサントリー角瓶のウイスキーを使用。酒の量はダブル(60ml)、ソーダ1本(180~200ml)で、瓶を一気に逆さにし、液面に触れずに瓶を上げていく。現在の作り方はスコッチウイスキー「デュワーズ」とソーダを使用し、酒の量は45ml、ソーダは180ml。ソーダは左手でグラスを回しながら縁にゆっくりと注いでいた。

美しい所作に感動する声のほか、「比較して飲みたい」「炭酸の舌ざわりが変わるのかな?」など多くの反響が寄せられた。

炭酸を立たせるか、閉じ込めるか

「僕の認識では、作り方が変わったのは10年ほど前です。酒類大手のサッポロビールが神戸ハイボールのプロモーションした際に、自社取り扱いのデュワーズを宣伝して、炭酸の注ぎ方も変わりました。注ぎ方は、炭酸を閉じ込めるようになったんです」とまきのさん。今は食事に合わせて飲むことも多く、時間をかけて飲んでも炭酸が抜けないようにしているという。

一方、20年前に習った作り方は炭酸の水流で混ぜ合わせ、炭酸を立たせるイメージだそう。「一杯目のビールって美味しく感じませんか?当時、コウベハイボールはスタンディングで、常連さんだったら何も言わずに神戸ハイボールが出てきたと聞きました。1、2杯、クッと飲んで帰るスタイル。時代の変化で変わっていったんだと思います」

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