コロナウイルスは施設の夫を引き離す 京都の87歳女性が歌集、日常や夫婦愛つづる

京都新聞社 京都新聞社

 趣味で短歌に親しんでいる京都府与謝野町岩屋の安達道子さん(87)が、約20年間の作品をまとめた初の歌集「初鳴」を自費出版した。日常の出来事やコロナ禍で迎えた夫との別れなどを題材にした約500首が並ぶ。安達さんは1首1首を読み返し、「当時の状況や周囲の人たちの顔が思い浮かぶ」と懐かしんでいる。

 安達さんは60代から本格的に創作を始め、2002年には大宮町(現京丹後市同町)主催の「小町ろまん全国短歌大会」で最優秀賞を受賞した。

 歌集はA5判198ページで、知人らに背中を押されて出版した。2千首ほどの中から選んだ約500首を年代ごとに5部に分けて収録し、60冊を友人らに配った。

 同賞を受賞した「地場産のはた音さびれゆく街に ともに老いきしこの夫(ひと)と居る」には、家業の織物業への愛や夫婦愛を込めた。

 「コロナウイルスは施設の夫を引き離す 六十年とう道程(みちのり)の果て」。コロナ禍で兵庫県内の病院に入院していた故勲さんとの面会が制限されたことへの嘆きと悲しみを込めた歌もある。

 安達さんは「31音で素直な気持ちを表せるのが短歌の魅力。今後も生涯の趣味として創作を楽しんでいきたい」と意欲を高めている。

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