昨今、「退職代行サービス」の利用者増加が話題になっていますが、その実態はどのようなものなのでしょうか。株式会社タバネル(大阪市北区)が実施した「退職代行サービスについての意識調査」によると、退職代行サービスの利用経験者は3.7%にとどまることが分かりました。また、半数近くの人が、退職代行サービスの利用を「否定的に感じている」ことも分かったそうです。
調査は、従業員100人以上の会社に勤める全国の20~59歳のの会社員(正社員)490人(20代93人、30代112人、40代146人、50代139人)を対象として、2024年5月にインターネットで実施されました。
その結果、退職代行サービスについて、名前のみの認知度は81.5%と高くなった一方で、「過去に利用したことがある」と回答した人は3.7%、「利用したことはないが、職場に利用した人がいる」と回答した人は12.9%という結果になり、自身も含め利用経験者は少数派であることが分かりました。
年代別に利用経験、認知を比較すると、利用経験者がで最も多い年代は「30代」で9.8%、次いで「20代」が6.5%と高くなった一方、「40・50代」ではほとんど利用されていないことが分かりました。
また、詳細認知度(「利用したことはないが、職場に利用した人がいる」「自分、職場に利用した人はいないが、内容は知っている」の合計)においても同様の傾向がみられ、「20代」で65.6%、「30代」は58.9%と、若年層のほうが高くなっていました。
次に、退職の際に「本人が勤務先に退職の意向を伝えるべきかどうか」という質問には、半数近くが「そう思う」(そう思う22.9%、ややそう思う22.7%)と答えており、退職代行サービスの利用に否定的な考えを持っていることが明らかとなりました。
「本人が伝えるべきだと思う」と答えた割合を年代別にみても、年代で大きな差はなく、「20代」で48.4%、「30代」は48.2%、「40代」は43.2%、「50代」は43.9%と、年代によらず退職代行サービスを使うことに否定的な意見を持つ人が約半数程度いることが分かりました。