「ベロだけで倒す」「神龍も殺す」 ドラゴンボールで読者を絶望させた悪役キャラたち

海川 まこと 海川 まこと

1984年に集英社の「週刊少年ジャンプ」で連載が開始された『DRAGON BALL』(作:鳥山明)には、主人公・孫悟空と戦う悪役キャラクターが数多く登場します。なかにはそのあまりの強さから「流石に悟空も勝てないよ…」と読者を絶望させた強敵も存在しました。

桃白白

そんな強敵の代表格といえば、コミックス8巻「其之八十五 殺し屋”桃白白”」に登場した殺し屋・桃白白(タオパイパイ)の名前があがるでしょう。桃白白は、世界最凶の軍隊・レッドリボン軍が雇った世界一の殺し屋です。

桃白白の強さが際立ったのは、レッドリボン軍の超能力使い・ブルー将軍をベロだけで殺してしまうシーンでしょう。一時は超能力で悟空たちを縛り付けて追い詰めた実力者であるブルー将軍をたやすく倒す場面を見た読者からは「悟空すら勝てないんじゃないか?」「ブルー将軍を殺害するシーンが怖かった」といった声がSNSであがっていました。

また、悟空と桃白白が戦った際は、必殺技のどどん波で悟空をあっさり倒してしまいます。当時、リアルタイムで読んでいた筆者は、悟空の敗北を見て「もう誰も勝てない…ドラゴンボール終わっちゃう!」とひどく絶望した記憶があります。

ピッコロ大魔王

その後、カリン塔に登りカリン様との修行でパワーアップした悟空が、桃白白を倒すことができ安心したのも束の間、次の絶望を与える強敵はすぐ訪れました。それはコミックス12巻「其之百三十五 クリリンの死 そして恐ろしき陰謀」にて初登場したピッコロ大魔王です。

ピッコロ大魔王の実力は、第22回天下一武道会で悟空を倒して優勝した天津飯ですらまったく歯が立たず、片手で頭を掴まれて軽々と持ち上げられてしまう程です。悟空の師匠・亀仙人が、自分の命と引き換えに敵を封じ込める技・魔封波によってピッコロ大魔王を封じ込めようとしますが、技が失敗に終わり亀仙人は絶命してしまうという最悪の結果に終わります。

しかもピッコロ大魔王は、集めたドラゴンボールで神龍を呼び出し、若き日のパワーを取り戻すのです。そのパワーは凄まじく、願いを叶えた神龍をも倒してしまうほどでした。ただでさえ強いピッコロ大魔王が若返り、神龍までいなくなった展開に対して「神龍が殺されたら亀仙人たちを生き返らせられない」「ドラゴンボールのなかで最も絶望感を抱いた話」など、絶望感を味わった読者の声がSNS上であがっていました。

ベジータ

その他、読者に絶望を与えた強敵として有名なのがコミックス17巻「其之二百四 さようなら孫悟空」で初登場したベジータです。ベジータといえば悟空のライバルとして共に敵と戦う心強い味方のイメージが強いでしょう。しかし、初登場時は残虐な強敵として登場し「地球の戦士たちがまったく歯が立たなかった」「悟空とピッコロ2人がかりでなんとか倒したラディッツより強い敵に絶望した」といった声がSNS上であがっていました。

ちなみにラディッツは、ベジータが登場する前に地球に来ていたサイヤ人で、仲間となったピッコロと悟空が2人同時で戦っても歯が立たないという桁違いの強さをみせます。悟空がラディッツを羽交い絞めにした状態で、ピッコロが魔貫光殺砲で悟空もろとも貫いてなんとか倒すことができた強敵です。

そして次に現れるベジータは、ラディッツよりもさらに強い存在であり、しかも悟空が死んでしまった状態で物語が進むのです。当時の筆者はジャンプを読み進めながら、この後ベジータによってクリリンや天津飯たちが殺されてしまうのではないかと恐怖していました。

   ◇   ◇

この他にも、『DRAGON BALL』にはフリーザやセルなどとんでもない悪役が登場し、たびたび読者を絶望の底に叩き落としています。そのたびに、希望を見出して敵を倒す展開が人気の秘訣だったのかもしれません。そして、2024年秋に世界展開が予定されている新アニメ『ドラゴンボール DAIMA』ではどんな強敵が現れるのか、公開がとても待ち遠しいです。

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