ハラスメントに対する意識が高まるなか、若手社員の育成を担う人の指導の難しさが注目されています。株式会社Voicy(東京都渋谷区)が運営する音声プラットフォーム『Voicy』が実施した「若手社員指導に関する意識調査2024」によると、ハラスメントの風潮を背景に、7割強の人が「若手社員への厳しい育成に躊躇している」と回答しました。また、ハラスメントを気にして若手社員に伝えにくい言葉としては、「嫌なこともやらなきゃいけない」が最多となったそうです。
調査は、全国の20〜50代の会社員、会社役員または経営者645人を対象として、2024年3月にインターネットで実施されました。
その結果、全体の75.5%が「ハラスメントを意識して、若手社員へ厳しいことを言うのを躊躇したことがある」(どちらかといえば躊躇している41.2%、躊躇している18.6%、よく躊躇している15.7%)と回答しました。
「よく躊躇している」と回答した割合を年代別にみると、「50代」が17.5%で最も多く、年代が上がるごとに躊躇している人の割合が高いことがみてとれました。なお、「どちらかといえば躊躇している」「躊躇している」「よく躊躇している」を合算した割合では、「30代」が78.0%で最多となっています。
続けて、「若手社員に伝えたいけど、ハラスメントを気にして言えないこと」を複数回答で答えてもらったところ、「嫌なこともやらなきゃいけない」(47.3%)が最も多く、次いで「納得いかなくてもまずやってみて」(45.3%)、「まずは質より量である」(25.9%)が続きました。
また、「若手社員に厳しくできないことで考えられる弊害」についても複数回答で答えてもらったところ、「若手が成長しない」(59.5%)が最多となったほか、「組織運営がうまくいかない」(41.4%)、「事業が伸びない」(38.3%)といった回答が上位に挙げられました。
なお、「ハラスメントと指導のバランスの難しさを抱えていること」について回答者からは、「ロジックで言わないと根性論だと言われそう」「優しくしすぎて、結果的に若手を何人も潰す上司がいる」などの意見が寄せられたそうです。