4月1日から物流・運送業などで時間外労働の上限規制が始まった。この「2024年問題」にいち早く目を向け、ドライバー不足などの課題に取り組んでいるのが株式会社「LIGO(リーゴ)」だ。運送業界に特化し、採用と営業の両面からサポート。なんとドライバーの採用成功率91%を誇り、運送業界だけでなく、他業界からも注目を集めている。リーゴの長妻潤社長に話を聞いた。
業界が頭を抱える「2024年問題」とは?
物流や運送業界、医師などは労働時間が長いとされ、この4月1日から時間外労働の上限規制が設けられた。トラック事業においては、労働時間が制限されることで①1日に運ぶことができる荷物の量が削減される②トラック事業者の売上げ、利益が減少する③ドライバーの収入の減少が起こる④収入の減少による担い手不足など、負のスパイラルが懸念されている。
これらの問題を解決するためには、トラック事業者をはじめとする関係者の努力だけでは限界があるのはいうまでもないこと。長妻社長も「この問題を解決するには、荷主企業や物流を利用する人など、多くの人が一体となって、この問題に取り組んでいく必要がある」と指摘する。
その一方で「労働時間だけでなく、賃金など働く人の待遇改善にも積極的に取り組んでいけば、40~50代の比率が高い運送業界にも若い世代がもっと入ってくると思います」とも話す。
コロナ禍に独立し、運送業に特化した採用支援業スタート
長妻社長は埼玉県川口市出身。求人広告の株式会社「クイック」に入社し、15年にわたり営業で700社の企業の採用支援を手掛けてきた、まさに「採用のプロ」だ。その長妻さんが独立を決意し、2020年1月6日にリーゴを創業。会社名の由来は「Life Is Good(人生って最高だ!)」からきていて、仕事だけでなく、仲間やクライアントなど多くの人と過ごす時間を大切にし「その先の人生がより輝くものになりますように」という願いも込められている。
その年の5月にはコロナ禍で採用が難しい運送業に特化した採用支援業をしていくことを決意。「応募が少なく、最適な人材が採用できない」「ドライバー人材を採用したいが費用は安く済ませたい」「採用を継続して安定させ、会社をもっと成長させたい」など、運送業界の声をしっかり受け止めて、スタートした。
その際、アイデアマンの長妻社長は求人支援だけでなく、営業支援もすれば、業界が発展し、求人も増えるのではと考えた。さらに2021年7月には運送会社向けPRメディア「ハコプロ」も開始。「採用支援だけでなく、運送業に特化した営業・マーケティング支援や運送業に特化したDX支援も必要と考えました。また自社の魅力を、自社で表現するのは意外と難しいので、代わってリーゴが魅力を発信しようと考えました」と相乗効果を期待した。
注目は「運送業のドライバー採用成功率91%以上」
効果はてき面だった。なかなか人材が集まらないといわれる運送業界において、何と「採用成功率91%以上(2021年実績)」を達成。聞けば、軽貨物ドライバーを1カ月で20名採用したり、大型(2t/4t)ドライバーを1カ月で14名採用した実績もある。
気になるのは採用に関する費用面だが「軽貨物ドライバーの平均採用単価15万円に対して、リーゴでは採用単価5〜8万円の実績」であったり「一般貨物の平均採用単価30万円に対して、採用単価8〜12万円の実績」を残しているそうで、業界内外で大きな注目を集めてきた。
開業4年目の現在、運送会社の取引社数は200社以上。リピート率は93%超えるなど好循環が続いている。他のエージェントや人材紹介と比較して低価格で募集ができることや採用成功率の高さが間違いなくリピート率にも反映されているようだ。
一筋縄では収まりそうにない「2024年問題」。長妻社長は「運送業界に1人でも多くの人に定着してほしい」と話している。
▽株式会社「LIGO(リーゴ)
東京都港区南青山2丁目2—15 Win Aoyamaビル UCF635
電話03(5776)2504
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