面接で前職を辞めた理由について「パワハラによるうつ病」→不採用 「上司も職場も素晴らしく、自分で自分を追い込んだ」→採用 元市職員の転職エピソードが話題

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「当たり前だけど市役所やめた理由は必ず聞かれる
『パワハラによる鬱病でやめた』と答えると必ず落とされた
でもこればっかりは紛れもない事実だから正直に答え、落とされ続けた
今回 『上司も職場も素晴らしく、自分で自分を追い込んだ』と話したら内定もらえた
世にパワハラがなくならないわけだ」

転職先の面接でパワハラを受けて退職したことを隠し、内定したというエピソードがX(旧Twitter)で話題になりました。

投稿したのは、「ごめんね人生」さん(@BrainFogNoClear)。ごめんね人生さんによると、市職員だった13年ほど前、上司からのパワハラを受けてうつ病を発症し退職したとのこと。その後、非正規雇用で工場勤務したものの、腰を痛めてヘルニアになり辞職することに。

再び転職活動を始めた際、市職員を辞めた理由を「パワハラによるうつ病でやめた」と正直に伝えたところ、採用されなかったため、退職理由を「(うつ病になったのは)自分で自分を追い込んだ」などと変えると、1社だけ内定をもらえたとのことです。そんな転職エピソードを打ち明けた投稿には、「前の会社の悪口を言わないほうがいい」「あなたの前向きな姿勢が示されたことは素晴らしい成果」などとさまざまな意見が飛び交いました。

「採用する側も採用費をかけているので失敗したくない」

「世の中には適応障害というものがありまして。メンタル系不調の可能性ある方はみんな敬遠されるんよね。難しいですね~」
「退職理由がパワハラだとメンタルが弱いのではと勘ぐられるんですかね? もしくは自社にもパワハラがある、と自白の意味で落としてるのか? そこまで気を遣う面接は大変そうですね…。マイペースでいきましょう!」
「転職する側もそうですが、採用する側も採用費をかけているので失敗したくないので、なかなか難しいですよね パワハラは社風も関係しているなと思ってます。」
「結局の所、鬱になったヤツにしか本当の辛さはわからんよな」
「面接官もワンマン企業のオーナーじゃなくサラリーマンだとメッチャリスク負ってるのよ 入ったあと問題を起こしそうな人間採用したら上からも下からもメッチャ詰められて責任とれと言われるわけよ 悲しい現実だけど面接では前の会社の悪口は言わないほうがいいのは鉄則だと思う」
「パワハラの問題は辛い過去ですが、あなたの前向きな姿勢が示されたことは素晴らしい成果だと思います」

転職先の面接でパワハラが原因で辞めたことを隠して内定をもらったことに、本人は受け入れることができたのでしょうか? 「ごめんね人生」さんに聞きました。

退職理由を「パワハラで辞めた」と答えた企業、採用担当「うちの仕事が務まるとは思えない」

──市職員時代に受けたというパワハラの内容について、教えてください。

「特につらかったことをお話します。遅刻してしまい1カ月無視されたり、質問に間違った回答をしてしまいペンのキャップを投げられ、作った書類を投げ返されたり。また飲み会の2次会を断った時には怒られ、飲み会の席ではお酒を注いで誤って上司の手にこぼしてしまいコップを地面に投げて怒られたことも。さらに飲み屋で正座をさせられ、上司2人から1時間ほど説教されました。

このほか、助手席に上司を乗せるときは私の運転が『とろい』という理由でいつも隣で舌打ちされたり怒鳴られたり、県の人との打ち合わせで自分が担当する事業を説明する際、誤ったことを伝えそうになるとテーブルの下で上司に足を踏まれたこともありました」

──転職活動をされて、面接の際に市職員を辞めた理由を「パワハラによる鬱病で辞めた」と答えて落とされたのは何社ですか?

「5社ほどです。各社の反応ですが、ひどいなと感じた企業が1社ありまして…『市役所みたいなボランティア仕事を辞めて、うちの仕事が務まるとは思えない』と言われたのはつらかったですね。残りの4社は『それは気の毒でした』などと同情的な反応でした」

──今回「上司も職場も素晴らしく、自分で自分を追い込んだ」と話したら内定をもらったとのこと。当時、採用側の反応は。

「実際は元上司らに追い込まれたのですが、自分で自分を追い込んでうつ病になったことを採用側には伝えました。同情され、また現在通院しているのか、どのような症状が出たのかなどを聞かれて。市職員を辞めたことについて『もったいなかったですね。真面目な性格なんですね』とも言われました」

元市職員の本音「上司と職場を擁護して死にものぐるいだった自分を卑下する、それだけで悔しい」

──今、内定をもらったところで働いているのですか?

「はい、今回採用された企業で働いています。パワハラも起きなさそうな職場です。特に何も感じていません。拾ってくださってありがたいな、だけです。教えられたことを無機質にこなしていくだけの意識です。市役所時代に精も魂も尽き果てたので。目標は続ける。嫌われないことです」

──転職活動の際、前職を辞めた理由についてネガティブなことをいうと採用されないとよく耳にします。今回、活動を通じて、思ったことををお聞かせください。

「仕事を辞める理由なんてネガティブなことがほとんどなのに、それをうまく変換したり隠したりする風潮がよく分かりません。少なくとも今の職場には前の職場の上司は素晴らしかったで通っています。上司と職場を擁護して死にものぐるいだった自分を卑下する、それだけで悔しくてたまらない。だから自分は意地でも上司のパワハラというワードは曲げたくなかったのですが…それでは受からなかったし職業訓練での履歴書添削では注意されました。実際、圧迫面接も受けましたし、職業訓練では圧迫面接ありきの面接対策の授業があり意味が分からなかったです。

ただ、何でもかんでもパワハラと騒ぎ立てる人もいるし、パワハラの定義というか、ラインは人によっても違うし難しい問題であるのは確かですよね。パワハラ・うつ病を理由に落とした企業に対しては、仕方がないかなと思うところは大きいです。とはいえ、うつ病にさせるまで自分がパワハラをしていると気付けない人間が管理職になるのが理解できません。自分は死ぬまでモヤモヤした気持ちを抱えたまま生きていかなければならないのが本当に悔しいというのが本音です」

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