京都弁の神髄がSNS上で大きな注目を集めている。
流行のハッシュタグ「#死ねを上品に言う方法」を添えて
「京都人は『死ねどす』とか言わない。『まだ生きたはるわ』と言う。のをかつて見たとき、これぞ京都っぽいと思ったな。」
と京都弁のニュアンスについて紹介したのは文筆家の岡部敬史さん(@okataco)。
京都出身の岡部さんだけに、説得力のあるリアルな京都弁の言い回し。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「京都弁って何か和風ホラーにピッタリだよな、不気味な雰囲気が字面だけでも漂ってくる」
「京都に対するイメージが、、こういうのを見るたびに『怖い』と思うようになってきている。」
「あんさん、まだ生きてはったんやぁ。聞いたことある(^◇^;)」
など数々の驚きの声が寄せられている。
投稿者に聞いた
岡部さんに話を聞いた。
ーー「まだ生きたはるわ」はどんなシチュエーションでお聞きになった言葉でしょうか?
岡部:これはことば足らずでしたが、だいぶ前、ネットの書き込みかなにかのエッセイでこういった文章を見たんですね。で、そうしていると「あの人、まだテレビに出たはるな」といった類似の使い方をリアルとか京都のエッセイなどで見るようになり、自分の周りでもこういった感じに使うことがあるなと思ったという話です。
ーー「遠回しに嫌味を言う」「いけず」と言った京都人のイメージについて。
岡部:これはネットの中ではひとつのネタになっている気がしますよね。僕は京都生まれで今も実家があるのでよく帰りますが、たとえば、嫌な客に早く帰って欲しいとのことで「ぶぶづけどないだす」とか言ったことはもちろん、聞いたこともないです。そもそもお茶漬けを「ぶぶづけ」という人のほうが少数派ですよね。でも、なんか面白いから伝わっていってるというか。
ーーなるほど。
岡部:「まだ生きてはるわ」については「嫌な人なのに、そこに対してもある種の敬語である」というのが個人的には、京都らしく面白いなと思います。京都の人がとりわけ「いけず」だとはまったく思わないですが、本音をあまり言わないというのは、なんか当たっているような気がしますね。
◇ ◇
なんとも奥深い京都弁と京都という風土。なお今回の話題を提供してくれた岡部さんは東京書籍から京都の雑学コラム写真集「くらべる京都」と、日本各地の方言について紹介した「目でみる方言」を上梓している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
岡部敬史さん関連情報
Xアカウント:https://twitter.com/okataco
「くらべる京都」:https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81335/
「目でみる方言」:https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81629/