【賭博問題】水原通訳の釈明、なぜ当初と変化?専門家が見解 「永久追放」も明記するMLBのルールとは

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ドジャース大谷翔平選手の通訳を務めた水原一平氏が違法なスポーツ賭博(スポーツベッティング)に関与し、解雇された問題。スポーツ賭博などの事情に詳しい国際カジノ研究所長の木曽崇氏が21日、Xで見解を述べた。

ドジャースがあるカリフォルニア州は、スポーツ賭博が法律で禁じられている米国内で数少ない州。水原氏は複数の違法ブックメーカーへの借金を抱え、大谷の口座から少なくとも450万ドル(約6億7500万円)が送金されたと報じられている。

水原氏は、解雇される前日(19日)に米スポーツ専門チャンネルESPNのインタビューで「彼(大谷)は『二度とこのようなことをしないのなら私を助ける』と言い、返済することを決めてくれた」などと釈明していた。しかしこれを大谷側の弁護士が否定。大谷の合意がなく送金された窃盗事件であると主張し、翌日には水原氏側も「大谷はギャンブルや借金について何も知らない」「ブックメーカーに対して送金していない」と説明を翻した。

木曽所長は「通訳さんのコメントも二転三転しており、正直申し上げると何が本当なのか現状では分からない」とした上で、MLBが定める「ルール21」が前提にあるのではないか、とした。同ルールはMLBに携わる選手、スタッフら関係者を対象にしたもので日本プロ野球の野球協約にあたり、第21条にスポーツ賭博に関する禁止事項が記されている。「野球に関する賭博が発覚すれば出場停止1年」「自軍チームへの賭博関与は永久追放」「違法賭博への関与はそのジャンルに関係なくペナルティーの対象になり得る」といった内容だ。

「違法と知らなかった」は本当か

水原氏のコメントが変遷していることについて、木曽所長は「あくまで私なりの推論」と断った上でこう述べた。当初説明されていた「大谷が通訳のスポーツ賭博の負債の肩代わりをした」という行為が、上記のルールに違反してしまう可能性が出てくるため「おそらく大谷選手の弁護士サイドはこのMLBルールを前提として、当初の通訳者のコメントのままだと大谷選手にリスクが及ぶということで、これは窃盗犯である、大谷選手はこの事実については知らなかったんだという形で声明を発表したのかな、と私は想像している」とした。

水原氏のその後のコメントでは、違法賭博であることを知らなかった、野球には賭けていないということが強調されている点を指摘し「MLBルールを意識してのコメントなんだろうな、と思います」とした。

その上で木曽所長は「違法であるかどうか知らなかった、という説明はちょっと無理があるかなと個人的には正直思ってます」とする。水原氏が当初のコメントで、球団内で賭博に関する研修を受けていると語っていた点を指摘し、「(エンゼルス、ドジャースがある)カルフォルニア州の球団の関係者が受ける教育プログラムの中に、カルフォルニア州がいかなる形でもスポーツベッティングが違法ですよ、ということが告知されないわけがないんですよね」「(水原氏が)それを知らなかった、というのは正直無理があるんじゃないのかなというのは私個人としては正直思います」とした。

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