「お互いに覚えていた」
介護施設にいる、おじいさんと愛犬が再会する動画がInstagramで話題になりました。
投稿したのは、飼い主さん(@shino.iruru)。愛犬は、ちびくんといいます。3歳の男の子。動画は、飼い主さんたちが介護施設の許可を得てちびくんを連れ、入所しているおじいさんに会いに行った時に撮影したもの。おじいさんの姿が見えるやいなや、ちびくんは大きくしっぽをブンブン振って大喜び。再会するシーンにほっこりする人たちなどからたくさんのコメントが寄せられています。
「ワンちゃんも家族として会わせてくれるなんて」
「じいちゃんじいちゃんじいちゃんじいちゃん…×1000000000」
「しっぽちぎれるぐらいの振り」
「全然会うことができない施設が多いのにワンちゃんも家族として会わせてくれるなんて」
「椅子の位置に施設の方たちの精いっぱいの思いやりを感じた」
「いつか名前や存在を忘れてしまう日があったとしても、顔を合わせると自然とお爺さまも笑顔になると思います」
多くの人たちの心を打ったおじいさんとちびくんの再会シーン。施設を訪れた時のことを、飼い主さんに聞きました。
施設に入所して2週間ぶりの再会 飼い主「じいはちびのことだけ覚えていました」
──介護施設に入所したというおじいさんは何歳?
「83歳です。昨年12月の初旬に施設に入りました」
──2週間ぶりの再会だったとか。
「じいは、かなり認知症も進んで私や姉の名前は分からない日もあって、顔を見ても首を傾げたりするのにちびのことだけ覚えていました。ちびだけはじいの中から消えないんです。ちびもお尻取れそうなくらいしっぽフリフリで、久々のじいに大喜びでした」
──今回動画を投稿したのは。
「ちびも会いに来て良いですよ、と言ってくださった施設職員の方々に感謝と、フォロワーさんたちに報告も兼ねてちびとじいの再会を見てもらおうと思って。それに、ちびのしっぽフリフリもかわいかったので投稿しました」
認知症で散歩を忘れてしまったおじいさんが…施設の敷地内を愛犬と散歩!
──入所する前のおじいさんは飼い主さん家族と暮らしていたのですね。
「はい。じいは家族みんなで暮らしていました。家族の形も変わっていって、増えたり減ったりしましたが3年半前にちびが来てからは夕方の散歩はじいの当番でした。じいが一緒に歩いてくれるからご近所の方もちびを覚えてくれて。私と散歩してても知らない人から『ちびちゃん』と声を掛けていただくことも多々ありました。少しずつ認知症が進行していって、思うように散歩もできなくなっていて、そのうち散歩という行為も忘れてしまったようで…それでも施設のデイサービスに通うまでは昼間はいつもちびと一緒でした」
──動画の後、おじいさんとちびくんはどうなった?
「動画の後、施設の敷地をぐるっと散歩させてもらいました。次の回にちびと面会に行った時にはまた一緒に散歩して、この時はじいがリードを持ちたいと言うのでおまかせしました。ちびは全く気を使わず、いつも通り(笑)。リードを持つじいはしっかりして見えましたね」
──そんなちびくんは普段どんなワンちゃんですか。
「ちびは、じいの認知症の緩和のために友人宅で生まれて我が家にやってきたわんこです。びびりだけどやんちゃで甘えん坊。おっちょこちょいでいつも私を笑わせてくれます。今年の冬はこたつデビューしました」
──介護施設ではペットと面会禁止のところが多いようですが。
「ほんとに良い施設で感謝しかないです。この後もちびを連れて面会に行きましたが職員の方も皆さんちびに声をかけてくださって、他にもわんこ好きなお年寄りが玄関まで出てこられたり。じいの中から消えないちびの存在、ほんとにわんこってすごいなと思った出来事でした。わんこも家族…もっとこういった施設が増えていくといいなと思います」