「コロナ禍は終わった」とする企業は約4割に留まる――そんな調査結果が、株式会社帝国データバンク(東京都港区)がこのほど発表した「コロナ禍の終焉に関する企業アンケート」で分かりました。また、新型コロナの流行前(2019年以前)と比較して「自社の働き方が異なる」とした企業は7割弱となりました。
調査は2024年2月にインターネットで実施され、有効回答企業数は1266社でした。
新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)が5類へ移行し、9カ月が経過しました。そこで、「自社の企業活動を行ううえで、コロナ禍は終わったと感じますか」と尋ねたところ、「コロナ禍は終わった」(40.2%)とする企業は約4割に留まりました。
他方、「どちらとも言えない」は27.7%、「コロナ禍は続いている」は31.3%となり、依然として3割を超える企業で、コロナ禍は続いていると捉えている様子がうかがえました。
また、「コロナ禍は終わった」とする企業を規模別にみると、「大企業」は50.7%、「中小企業」は38.8%、そのうち「小規模企業」は36.0%となり、「大企業」とは10pt以上の差がみられました。
企業からは、「客先への訪問禁止などはなくなり、設備投資再開の動きも活発になるなど引き合い自体は多い。事業への直接的な影響としてのコロナ禍は『終わった』と言える」(機械製造)といった声がある一方で、「周囲に感染者が出ているため、まだ終わったとは言い難い」(建設)、「観光バス事業においては、稼働水準がコロナ前にはまだ至っていない」(運輸・倉庫)といった声が寄せられました。
続けて、「コロナ禍前(2019年以前)と比べた働き方の変化」について尋ねたところ、「全く異なる(100%異なる)」(2.1%)、「8割程度異なる」(7.3%)、「半分程度異なる」(19.9%)、「2割程度異なる」(37.1%)と、多少なりとも「新型コロナ前と異なる」とした企業は7割近くに上ることが分かりました。
他方、「新型コロナ前と同じ状態(0%)」の企業は30.7%と、働き方がほとんど変わらない企業も一定数存在することも明らかとなっています。
企業からは「リモートワークやWEB会議の環境が整備されたため、いろいろな働き方が出来るようになった」(機械・器具卸売)といった声があった一方で、「ほぼコロナ禍前と変わらない状態になった」(繊維・繊維製品・服飾品製造)や「屋外作業が中心の業務のため、働き方自体に大きな変化はない」(建設)といった意見も聞かれました。
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調査を実施した同社は、「企業にはコロナ禍での厳しかった経営環境を乗り越え、蓄積されたノウハウを生かし、新型コロナと共存しながら今後も発展的な挑戦が望まれる」と述べています。