株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME'S』は、このほど「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング(近畿圏版)」を発表しました。同ランキングによると、借りて住みたい街ランキングは、京都府の「出町柳駅」、買って住みたい街ランキングでは、兵庫県の「姫路駅」がそれぞれ1位となりました。
調査は、2023年1月~12月の期間に、同サービスに掲載された近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県)の賃貸物件・購入物件のうち、実際の問合せ数を駅別に集計しランキング化したといいます。
なお、「平均家賃」は問合せのあった賃貸物件(1LDK)の中央値を40平米あたりに換算、「平均価格」は問合せのあった中古マンション(2LDK)の中央値を60平米あたりに換算しています。
その結果、近畿圏における「借りて住みたい街ランキング」は、京都府の「出町柳駅(京阪本線ほか)」(平均家賃:7万8049円)が初の1位となりました。
同駅は京都大学の本部機能がある吉田キャンパスの最寄り駅で、古くから学生の街として知られています。また、京阪本線の終点・始発駅でもあり、大阪中心部の「淀屋橋駅」「北浜駅」「中之島駅」などにもダイレクトアクセスが可能なため、多くの賃貸ユーザーから人気を集めるエリアとなっています。
同サービスは、「これまでオンライン授業が多く、必ずしも大学の近くに居住する必要がなかった学生が、授業が本格再開したことを受けて大学周辺での居住ニーズが高まったこと、高齢者の住まい支援が手厚いことなども1位になった要因と考えられます」と分析しています。
以降、2位「江坂駅(大阪メトロ御堂筋線ほか)」(同:9万8055円)、3位「新大阪駅(大阪メトロ御堂筋線ほか)」(同:9万4077円)、4位「三ノ宮駅(JR東海道・山陽本線)」(同:10万946円)、5位「南草津駅(JR東海道・山陽本線)」(同:6万7482円)、6位「北大路駅(京都市営烏丸線)」(同:8万665円)、7位「大国町駅(大阪メトロ御堂筋線ほか)」(同:8万6184円)、8位「大正駅(JR大阪環状線ほか)」(同:8万4706円)、9位「今出川駅(京都市営烏丸線)」(同:8万4350円)、10位「上新庄駅(阪急京都本線)」(同:7万988円)が続く結果となりました。
なお、本調査から対象エリアとなった奈良県と和歌山県では、「近鉄奈良駅」が66位、「奈良駅」が86位、「和歌山市駅」が95位にランクインするにとどまっており、大阪中心部へのアクセスを考慮すると地元のニーズにほぼ限られることも明らかになりました。
また、「借りて住みたい街ランキング」のTOP100に入った駅のうち、前回から大きく順位を上げた駅を集計した「急上昇ランキング」では、「奈良駅(JR奈良線)」(平均家賃:6万4501円)が1位(165位→86位)に。
2位(139位→66位)も「近鉄奈良駅(近鉄奈良線)」(同:6万3506円)と、いずれも大阪中心部へのアクセスが乗り換えなしで30分超と交通利便性が良好で、賃料相場が6万円台であることも大きな魅力となっている奈良県の駅が上位となりました。
そのほか、9位の「天王寺駅(大阪メトロ御堂筋線ほか)」(同:9万4362円)が前回の84位から57位に、10位の「四天王寺前夕陽ヶ丘駅(大阪メトロ谷町線)」も108位から81位とランクアップしたのが目立ちます。
この2駅はほぼ同じエリアで、大阪・梅田や難波方面へはJRと大阪メトロが利用可能な極めて利便性の高いエリアながら、開発が進むなかでも賃料が10万円以下と比較的安価なことで多くの支持を集めました。
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次に、近畿圏における「買って住みたい街ランキング」をまとめたところ、「姫路駅(JR東海道・山陽本線ほか)」(中古マンション平均価格:1807万円)が2年連続で1位を獲得。
この背景として同サービスは、「新型コロナウイルスの5類移行後に回復したインバウンド効果が挙げられます。姫路城をはじめとした観光資源が再び注目が高まり、姫路市を中心とした“播磨圏”が勢いを取り戻したことで居住ニーズも顕在化しています」と分析しています。
以降、2位「堺筋本町駅(大阪メトロ堺筋線ほか)」(同:4284万円)、3位「寝屋川市駅(京阪本線)」(同:1175万円)、4位「本町駅(大阪メトロ御堂筋線ほか)」(同:3666万円)、5位「石山駅(JR東海道・山陽本線)」(同:923万円)が続きました。
そのほか、大阪天満宮の落ち着いた借景を得られる周辺物件の人気が高く、新築・中古問わずマンションへの問合せが増加している「南森町駅(大阪メトロ谷町線ほか)」(同:3900万円)が7位、商業地である四条大宮~清水五条エリアでのマンション分譲がここ数年継続している「五条駅(京都市営烏丸線)」(同:5398万円)が10位にランクインしていました。
また、近畿圏における買って住みたい街の「急上昇ランキング」では、JR大阪環状線で「大阪駅」まで20分、ターミナル性の高い「天王寺駅」へも1駅と交通利便性が高いものの、これまで目立った物件開発がなかった「寺田町駅(JR大阪環状線)」(同:2215万円)が139位から28位と大きくランクアップしていました。
さらに、大阪市内近郊エリアの「藤井寺駅(近鉄南大阪線)」(同:1150万円)が193位から84位、「新森古市駅(大阪メトロ今里筋線)」(同:834万円)が243位から88位と、旧来の住宅地でも小規模ながら物件開発があり、いずれも大阪市中心部まで30分前後のエリアの居住ニーズが顕在化し、大きく順位を上げる結果となりました。