結婚14年目「月収10万円…役者志望の夫に愛想が尽きた」低収入だけど、離婚したら養育費はもらえる?【夫婦問題研究家・岡野あつこさんがアドバイス】

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「オレの才能を信じないのか?」…。役者志望の夫は、日々のお金や暮らしのことを相談しても逆ギレするばかり。愛想を尽かして離婚を考える妻からの相談がありました。夫は収入が低いため「はたして養育費はもらえるのか?」と悩んでいます。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがアドバイスします。

月3万円の養育費を拒む夫

【相談】結婚14年目、中学生と小学生の二人の子どもを持ちながら働く、いわゆる「ワーママ」です。夫は私と同じ41歳、役者として劇団に所属しています。役者といっても、それだけでは食べてはいけないほど収入が少なく、スナックのバイトもしています。

結婚当時、「必ず売れる役者としてオレの才能が認められるから。サラリーマンとして働くなんて、オレの人生には考えられないね」と夢を語っていた夫。ずっと会社員として働いてきた私には、そんな夫がキラキラして見えたのです。

ところがあれから14年たった今、まだ役者として芽が出ず、私が就職をすすめても「オレの才能を信じないのか?」と逆ギレをするだけの夫に愛想を尽かしはじめています。これからが子どもにお金がかかる年頃なので、経済的にも不安です。

そのことについて夫婦で話し合うたびに喧嘩になり、先日は「オレは自分の夢を叶えたい。その夢を信じないヤツは俺の人生から出ていってほしい」と、とうとう離婚を言い渡されました。

私は離婚に際しての慰謝料は要らないとしつつ、「せめて、子どもたちの養育費として月3万円ください」と交渉しました。すると夫は「今の収入が10万円ちょっとなのは、お前も知っているだろう?」と支払いを拒否。

そのうえ、「オレを捨てて出て行くのはお前と子どもたちなんだから、オレには1円も払う義務はないね」と身勝手なことを言い募られてしまいました。

その場では押し切られてしまったのですが、納得はいっていません。これって、アリなのでしょうか……。

支払いを強要するより、チャンスを与えて夫にやる気を持たせて

【岡野さんの回答】夫の夢を応援しながら14年間も家計を支えてきたことは立派なこと。働きながら子育てをするのは大変なことだと思います。

芽の出ない夫を見切って離婚を決めたことには共感できますが、私自身は「1回、チャンスをあげてみてはいかがでしょう」という提案をしたいところです。

というのも、多くの男性は妻に感謝の気持ちや謝罪の言葉を伝えるのが苦手なもの。今回の夫の場合も、「役者として売れて、成功したら妻をねぎらおう」と感謝や謝罪を先送りにしていると想像できます。

さらに、別居や離婚となると、現実問題として生活費が今よりかかることになります。家賃や水道光熱費が夫と妻でそれぞれかかることになれば、お互いに経済的な負担が大きくなり、その結果「月3万円」の支払いの約束も、さらに遠のくことになってしまうでしょう。

売れる役者を目指して稽古を重ねつつ、少ない収入ながらバイトを続けているのは、ある意味なかなか根性のいることです。そこには「いつか成功して妻を楽にしたい」という思いがあるではないでしょうか。本音では、自分の夢がかなうまで家族には応援してほしいし、一緒によろこびを分かち合いたいと思っているのかもしれません。

だからこそ、「あと1年やってみて結果が出せなかったら就職する」「子どもが中学を卒業するまでに月収〇〇万円のままだったら就職する」というように、条件つきでもう一度チャンスをあげてみてはいかがでしょう。家族の支えが夫の発奮材料になっていい結果を生むことは珍しいことではないのです。

ただし、その際、気をつけるべきポイントもあります。それは「私が稼いだお金で生活が成り立っているのよ」ということを口に出すのはNG!…ということです。夫のプライドを傷つけないように、あくまでも応援するスタンスで夫のモチベーションを高めましょう。それは夫だけのためでなく、あなたと子どもたちのためにもなることなのです。

◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、3万8000件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。

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