「むく見つかりました!!!
昨日わたしが帰省先から捕獲器を持って輪島に戻り仕掛け、今朝確認したら捕獲器に入っていました。
少し痩せてしまっていますが、怪我もなく元気です。今ご飯とちゅーるをガツガツ食べ、お水も飲んでいます。
ご心配して下さった皆様、本当にありがとうございました!」
能登半島地震が1月1日に発生してから17日目、石川県輪島市内の自宅に戻ってきた飼い猫と再会した喜びを飼い主さん(@@memomo5656)がX(旧Twitter)に報告。投稿には「無事で良かった~」「よく無事に帰って来てくれましたね!!」「再会本当に嬉しいです」などと歓喜の声が相次ぎました。
1歳半の雌猫 飼い主の妻が帰省中、夫と自宅で被災 居間の引き戸から飛び出してしまった
戻ってきた猫ちゃんは、シャムミックスのむくちゃん。1歳6カ月の女の子です。飼い主さんによると、地震発生時は飼い主さんは県外の実家に帰省、輪島市内の自宅には旦那さんとむくちゃんだけがいました。
「夫とむくは居間にいたのですが、最初の揺れの時はむくは机の下にもぐったそうです。揺れが収まり、夫がむくを抱き上げ様子を見ていたところ次の大きな揺れがきて夫は立っていたところから吹き飛ばされ、むくは倒れて開いてしまった居間の引き戸から飛び出して行ってしまったそうです」
飼い主さんの自宅は、壁や天井に大きなヒビが入り扉は倒れ、窓ガラスやサッシが外れたり割れたりして危険な状態に。いなくなってしまったむくちゃんのことを気になりながらも、このままでは自分の命も落としかねず旦那さんは避難を余儀なくされました。
地震発生から3日経ち、旦那さんが自宅に戻り玄関付近を片付けていると、むくちゃんを目撃。しかし、すぐに走り去ってしまったとのこと。その後も避難所と自宅を行き来しながら、むくちゃんを探したものの家の中では見つからず。おそらく自宅の扉やアルミサッシが複数破損し、外と自由に行き来できてしまう状態で、また雪が降る中、家の外にはむくちゃんらしき足あとがあったことなどから、外に出てしまったことが分かりました。
「毎日ご飯とちゅーると水を置いておいたところ、ご飯が減っていたりちゅーるだけなくなっていたりしたので、家の中に戻ってきてはいるようだと、夫も私も少し安心して落ち着いたら出てきてくれるだろうと思っていたのですが…その後何日経っても一向に姿を見せず、しだいに私も焦りが出てきて、1月11日にインスタに猫を探していますという投稿をしました。またXでも情報を発信したり、迷子猫の情報登録機関に登録したりしました」
実家から帰宅した翌朝、仕事部屋に仕掛けた捕獲器から鳴き声が…!
むくちゃんが見つからず、いてもたってもいられなかったという飼い主さん。実家にいる間ずっと「今すぐ捕獲器を持って輪島に行きたい」と思いながらも輪島までの交通手段がなく、ただ待つしかできなかったとのこと。すると、ボランティア団体が金沢から輪島までのバスを1月14日から運行することを知り、すぐに折りたたみ捕獲器4台を通信販売で購入。それを持って16日、輪島の自宅に戻りました。
「16日、輪島に着いて自宅に入った時は、家のあまりの損傷の激しさにこれはむくを見つけるのは難しいかもしれない…と心が折れかけました。自宅の中を見て回ると、地震前は無事だった私の仕事部屋の椅子の肘置き部分がボロボロになって中のスポンジが飛び散っていて。むくがこの椅子を引っかくのを気に入っていたのできっと地震後にこの部屋にきて引っかいたのだろうと思い、その部屋にも捕獲器を仕掛けました」
そして翌日の17日朝、避難所から自宅に行って「むくちゃーん」と呼びながら部屋へ向かうと、「ミャオ!ミャオ!」と怒ったような大きな鳴き声が聞こえてきたのです。もしかして…と思いながら仕事部屋に入ると、置いていた捕獲器にむくちゃんが入っていました。
「捕獲器にむくの姿を見つけた時は信じられない気持ちで…と同時に、とてもホッとしました。むくはいつもはあまり鳴かないのですが、ずっとミャオミャオと鳴き続け、夫と私の間をせわしく行き来して頭をすり付けてきました。むくを触ってみると、背骨が手にゴツゴツ当たるほど痩せてしまっていました。でも、ちゅーるやごはんをガツガツと食べて水も飲み、元気そうでした」
地震発生後、飼い主さんたちと再会を果たしたむくちゃん。今は体重も戻り、飼い主さんたちと元気に過ごしているそうです。
◇ ◇
現在飼い主さんとむくちゃんたちは、県外に避難しています。帰省先から戻ってきた輪島市内の様子について、飼い主さんはこう話します。
「輪島市内も道路が大きくひび割れたり、電柱が斜めになっていたり、土砂崩れが起きていたり、家がたくさんつぶれてしまっていたりしてよく知っている場所なのに知らない場所のようでした。また自宅は壁がなくなり天井も落ちてきて、足元には割れた瓦やガラスが散らばっており、なにもかもぐしゃぐしゃになってしまっていてショックを受けました」
また今回大切な家族であるむくちゃんが無事だったことに安堵しているものの、行方不明になっている動物たちに心を痛めているといいます。
「いまだ行方不明のワンちゃん猫ちゃんたちのことを思うと、むくと同じように地震に驚きいなくなってしまった子たちですので、自分の知っている子が行方不明になってしまったような気持ちになりとてもつらいです。今は複数の保護団体さまが捜索に動いてくださっていると聞きました。そちらのお力を借りられると自分たちだけでは無理なこともできるようになることもあるかと思います。ワンちゃん猫ちゃんたちがご家族と再会できることを心からお祈りしています」