透明スケスケ扉のお風呂、手を洗うたび床がびしょびしょになる洗面…3800万円で購入した”おしゃれなリノベ”マンションは不便がいっぱい

ヨシダ コウキ ヨシダ コウキ

最近は、デザインがとても素敵な家をテレビや雑誌でよく見かける人も多いのではないでしょうか? 素敵なデザインの家は生活も豊かにしてくれると思ってしまうものです。しかし、実際に暮らしてみると大変なことも多いようです。

子どもの小学校入学前に

Tさん(30代女性、中部地方在住、専業主婦)は夫(30代、工場勤務)と子ども(5歳)と3人で賃貸アパートに住んでいました。

現在の住まいは、子どもが大きくなるにつれて、手狭に感じることも増えてきました。そんな時に、近くに住んでいる友人から、マンションを購入したという話を聞きました。購入した理由は、今よりも良い学区に入れてあげたいというのが理由でした。

Tさんは子どもの学区など、あまり気にしていない方でしたが、子どもが小学校上がってから家探しをしたら、転校の必要性が出てくることに気が付きました。子どもの入学前に住まいを探せるとよいなと思い、マンションを探すことにしました。

お値打ち価格で…悩みながら購入

住宅ローンを組んだ時の支払い額が、今の家賃と同じくらいの「月額12万円」までになるよう、物件を探すことにしたTさん。

探している中で、築2年と築浅で、内装は以前の所有者がリノベーションしたという部屋が見つかりました。新築のマンションをわざわざリノベーションしたということもあり、無垢の木で貼られたフローリングや、透明な扉のお風呂など、内装のデザインには随所にこだわりを感じる部屋になっていました。

ここまで凝ったデザインはあまり必要ないと思ったものの、立地も大変よく、値段も3800万円とお値打ちでした。月々11万円ほどの負担で、新築同様のマンションが購入できることがわかったので、悩みましたが購入に進みました。

いざ住み始めてみると

いざ住み始めてみると、前の住人がこだわりぬいたデザインの部屋は、思いのほか不便だということに気づきました。

お風呂の透明な扉は、家族であっても恥ずかしい気持ちになります。今は子どもが小さいから良いものの、思春期になったら嫌がるのではないかと思っています。

一番困っているのは洗面です。洗面ボウルが浅く、配管も剥き出しの仕様になっており、収納は一切ありません。洗面ボウルが浅いので、子どもが手洗いをするだけで床が濡れてベタベタになってしまいます。購入前はおしゃれな洗面で良いなと感じていましたが、日常使いにはとても不便だと気づきました。

結局、洗面は毎回床が濡れるのが不快だったので、交換することにしました。想定外の費用がプラスでかかってしまいましたが、Tさんは気持ちを切り替え、割り切って生活しています。透明なお風呂の扉も「いずれ子どもが大きくなる前に改装することになるのかな…」と話しています。

   ◇   ◇

このようなトラブルはよくある事なのでしょうか?アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。

購入する前に自分の生活を想像して

ーー前の住人の方のリノベーションが不便だったようです

全てが不便というわけではないですが、人それぞれこだわりたいところは違うので、前の所有者さんとのギャップはあったかもしれませんね。リノベーションは「自分の理想の部屋にするのが目的」ですので、住まわれる方が変わった場合は、評価が変わるのは仕方がないとも思います。

ーーTさんの様な失敗をしないためにはどうするべきだったのでしょうか?

デザインが良い部屋は、とても魅力的に見えるものです。しかし購入する前に、自分の生活を想像したり、問題がないか確認することが大切です。たとえば洗面などでも、実際に水を流して確かめるなどしたほうが良いです。水の出方などをあまり気にせず購入され、あとで問題になったケースもありました。遠慮せずに担当者に聞いて、しっかりチェックしましょう。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター
https://alphahomenagoya.jp/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース