マンガに登場するキャラクターには、さまざまなエピソードが存在し、物語の重要な鍵となることもしばしば。なかには、敵や味方関係なく読者が同情してしまうほど壮絶な過去を持つキャラクターも存在します。本記事では衝撃的なエピソードが原因となり闇落ちしてしまった漫画の主要キャラクターを3人紹介しましょう。
進撃の巨人・エレン・イェーガー
まずは『進撃の巨人』(作:諫山創)の主人公であるエレン・イェーガーです。巨人によって母親を目の前で殺された過去から、全ての巨人を駆逐するために戦うエレン。しかし物語が進むにつれエレンは、敵だと思っていた巨人にも人々を襲う理由があったことや、エレンたち住むパラディ島と海を隔てて存在する国・マーレではパラディ島に住む人々が迫害されている事実などを知っていきます。
その結果エレンはミカサやアルミンたちと離別し、パラディ島外の人類を無数の超大型巨人の力で殺戮する「地鳴らし」を発動させました。目的のために自ら世界の敵になることを選んだエレンにネット上では「エレンはどう足掻いても地鳴らしするしかなった展開が絶望的すぎる」「初期の無邪気なエレンと終盤のエレンとのギャップがつらい」など、エレンの境遇に胸を痛めるファンの声が散見されます。
僕たちのヒーローアカデミア・死柄木弔
次に紹介する人物は『僕たちのヒーローアカデミア』(作:堀越耕平)の死柄木弔(しがらきとむら)です。本作で彼は、5本の指で触れた人や物を「崩壊」させてしまうという強力な個性を持つヴィラン連合のリーダーとして登場します。
彼は幼少期の頃、本名である志村転孤(しむらてんこ)として生活しており、ヒーローに憧れる心優しい少年でした。しかし、家族にヒーローを志望することを反対され、不遇な日々と過ごすことに絶望を感じた瞬間、彼の個性である「崩壊」が暴走し、誤って家族全員を殺めてしまいました。この状況下を救ってくれたのがヒーローではなく、悪の支配者オール・フォ-・ワンだったことから、転孤は死柄木弔という新たなる名前を授かりヴィランとなりました。
少年時代は正義を追い求めていた彼が、悪に進むこととなった経緯にネット上では「死柄木の過去エピしんどい」「ヒロアカのトラウマシーンの1つ」などと、彼の境遇を不憫に思うコメントが多数あがっています。
NARUTO・うちはサスケ
最後に紹介するのは『NARUTO』(作:岸本斉史)に登場する、木ノ葉の里出身の忍者でナルトと切磋琢磨していた主要キャラの1人・うちはサスケです。サスケは、うちは一族を滅ぼした実の兄・うちはイタチに復讐しようと日々訓練をしていました。しかし、ナルトの驚異的な成長に焦りを感じ、より強い力を求めて大蛇丸の元へいくため里を離れ、闇落ちしてしまいます。
またサスケの闇落ちはこれだけではありません。後に兄・イタチが仕掛けた一族抹殺が、木ノ葉上層部の命令によるものだったことが判明します。これによって実はイタチによってサスケは命を守られていたことを知り、復讐の矛先が木ノ葉の里に向かうのです。
そんなサスケにネット上では「耐えた分だけ闇が深くて泣ける」といった、彼を哀れに思う読者の意見も少なくありません。本作品のなかでも人気キャラクターであるサスケの魅力は、こういった壮絶な過去が少なからず影響しているのでしょう。
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キャラクターのよさを引き出すポイントともいえる過去のエピソードたち。これまでに読んだことがある作品でも、当時好きだった登場人物の過去をもう一度振り返ってみると新たな発見があるかもしれません。