人間の代わりに心臓マッサージをしてくれる装置がSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのはアメリカ在住の心臓外科医、月岡祐介さん(@TsukiokaYusuke)の
「シカゴに来た当初『うちでは心臓マッサージは大体ルーカスがやるんだ』と言われたので、アメリカには心臓マッサージ専門の人もいるんだと驚きました。屈強なタフガイを想像してましたが、しばらくしてこれがルーカスだと知りました。勉強になりました。(日本にもあるらしいです)」という投稿。
シカゴの病院に備え付けられていたという心臓マッサージマシン「ルーカス」(Stryker社)。日本の医療機関にもあるそうだが、たしかにこれなら医療従事者にとって体力的に負担となる心臓マッサージが、休みなく提供できて合理的だ。
今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは
「やったことある人は分かるけど、胸部圧迫はめちゃくちゃしんどいんだよね。全身に血液を循環させ続けないといけないから手を止められないし、仮に意識が戻ったとしてもやめられない。救急隊きて変わってもらえるまで(状況にもよる)しんどかろうが手がちぎれようが人命がかかっているから。」
「初めて見た時は衝撃でしたけど、夜間救急など人手が少ない時に胸骨圧迫の人員を一手に引き受けてくれるので助かりますね。駆動時間の限界はありますけど。」
「2018年に父が亡くなった時に家に来た救急隊が使ってました 救急車が着くまでは私が心臓マッサージをしていました 救急車が着いてからは隊員が父にこれを装着して使っていました 山形県山形市です」
など数々の驚きの声が寄せられている。
投稿した人に聞いた
月岡さんに話を聞いた。
ーールーカスの存在を知った際は。
月岡:人間だと思っていたので驚きました。規則正しく休みなく疲れずマッサージしてくれるのでとても効率が良いなと思いました。
ーー機械に心臓マッサージをまかせるメリット、デメリットは?
月岡:メリットは、効率よく休まず心臓マッサージをしてくれることだと思います。人間だと5分もやればとても疲れてしまって効果のない心臓マッサージになってしまいますが、ルーカスではそれがありません。デメリットは体格によっては不適切な場合もある事です。また慣れていないと装着に手間取ったり、適切に装着できない可能性があります。
ーー投稿への反響について。
月岡:非常に大きい反響をいただき、皆さんの関心の高さを感じました。一般の方でも手軽に使えるようになるととても良いのではないかと思います。
◇ ◇
これまで人間が行っていたことを機械がすることに抵抗を覚える人もいるだろうが、心臓マッサージに関してはルーカスが普及することによって得られるメリットのほうが大きそうだ。月岡さんの言うように、これが一般の施設にも普及するよう願いたい。
なお今回の話題を提供してくれた月岡さんは日々、X(旧Twitter)上で医療に関する情報をユーモアを交え発信している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
月岡祐介さん提供
Xアカウント:https://twitter.com/TsukiokaYusuke