救助犬が珠洲市内で行方不明者を発見 地震発生後わずか2時間半で現地に出発するも、民間の団体には公的な補償ゼロ…サポート体制の見直しを

はやかわ かな はやかわ かな

ありがとう、見つけてくれてホントにありがとう

珠洲市内で行方不明者を発見したのは、「HDSK9捜索救助犬」に所属する捜索救助犬で、9歳になるベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノアの男の子、リッターくん。

ドイツ語で「騎士」を意味するリッター(Ritter)という名前を持つリッターくんは、これまで何度も捜索救助活動に出動。捜索救助のデモンストレーション・イベントでも素晴らしい捜索能力を披露してきた、「騎士」の名にふさわしい勇敢で優秀な捜索救助犬だ。

「捜索救助犬HDSK9」が珠洲市での捜索救助活動を終え、帰路に着いたのは1月6日。

「帰りに立ち寄ったPAで石川県に雪が降っていると聞き、胸が締め付けられる思いです。今この時も、あの地で生きる人たちがこれ以上辛い思いをすることがありませんように。そして一刻も早く復興への道に歩み出せますように」(「捜索救助犬HDSK9」のXアカウント「HDSK9捜索救助犬_ボランティア」の投稿より)

行方不明者を発見したリッターくんとハンドラーの方々の懸命な捜索救助作業に対して、Xには多くの労いの言葉が寄せられた。

「リッターくん、見つけてくれてありがとう」

「ありがとな(涙)。ホントにありがとうな」

「大きい余震もあり危険ななか、リッターくんにもハンドラーの皆さんにも感謝しかないです」

「すごいよね。救助犬て言っても個人宅の飼い犬なのよ。ボランティアなのよ、飼い主もわんちゃんも。訓練は受けているけど命がけ」

公的な補助や補償はナシ…民間の救助犬団体の現実

寄せられた多くの温かい言葉に対して、「私達は公的な補助もなく、消防を始めとする役所や警察や自衛隊や他団体の方々の助けなしでは何も出来ません。他団体様あっての私達の活動です。なので、ぜひ、他団体様やこの地で頑張っている皆様への応援の方を宜しくお願い致します」と、Xに投稿していた「捜索救助犬HDSK9」のSNS担当者さん。

続けて、救助犬の安全を危惧する人たちに対して、こんなつぶやきをXに投稿。

「犬に無理をさせる気はさらさらありませんし、嫌だ・出来ないと思ったことはやりませんし、犬にもさせない、超個人的な活動です。ですので、今回のことをきっかけに、多くの方々からこのアカウントに頂いた温かい気持ちのポストやフォローに心から感謝すると共に、あまりにも身に余ることだと恐縮をしております」(「捜索救助犬HDSK9」のXアカウント「HDSK9捜索救助犬_ボランティア」の投稿より)

「捜索救助犬HDSK9」のXアカウントの一連のポストからもわかるように、日本にある災害救助犬団体のほとんどは、寄付や支援で活動を行う民間のボランティア団体。そして、救助犬に帯同するハンドラーは犬たちの飼い主や訓練士であり、我々と同じ民間人だ。

被災地での捜索救助活動には、犬にとってもハンドラーたちにとっても、非常に大きな危険が伴う。しかし現在、民間の救助犬団体に対する公的な補助や補償は行われていない。

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