伊勢神宮の参拝者が手を清める川に、大量の小銭が投げ込まれ問題になっています。
問題提起したのは、伊勢神宮の内宮そばで土産物店と食堂を営む「勢乃國屋(せのくにや)」(三重県伊勢市)のSNS投稿。同店は9日、店の公式X(ツイッター)に「本日の五十鈴川です。初詣のお客さんがお金を投げ入れたようですが、ここにお金を投げ入れても意味がないうえにお浄めの場所をけがしてしまうのでやめましょう」と投稿。同時に公開した写真には、川底に大量の小銭が沈んだ様子が写っています。川に小銭を投げ入れる行為について、伊勢神宮に話を聞きました。
伊勢神宮「推奨しておりません」
小銭が投げ込まれたのは、五十鈴川にある「御手洗場(みたらし)」。伊勢神宮の参拝者が参拝前に手を清める場所です。同神社の公式サイトには「手水舎と同じようにお清めができます。昔ながらに五十鈴川の澄んだ流れで身も心も清めてからお参りしましょう」と説明があります。
伊勢神宮の広報担当者は、まいどなニュースの取材に対し、「御手洗場は参拝の人が手を清め、心を清める場所です」と説明し、「そもそもお金を投げ入れる場所ではありません。推奨しておりません」と静かなトーンながらもきっぱり。
近くにはお金を入れないように注意を呼びかける看板を立てていますが、投げ入れる人は減らないそうで、「どうしても入れてしまう人がいます」と困りきった様子。
特に寒さの厳しい時期は川底に沈んだ小銭を回収する作業も大変だといい、「(おさい銭は)川ではなく、境内にあるお社に」と呼びかけました。
◇
勢乃國屋のSNS担当者によると、五十鈴川に小銭が投げ込まれる行為は今年だけに限らず長年続いているそう。少しでも現状を知ってもらおうと店のSNSに投稿したところ、瞬く間に拡散し、2.4万を超えるいいねがつきました。ユーザーからは、「実際に見ました。絶対にやめてほしいです」「内宮にさい銭箱があります」「お金はおさい銭箱に」「せっかくきれいな御手洗場と川をけがさないで」「川を汚して神様は喜ばないのでは」などの声が続々と寄せられています。