大手アウトドア用品メーカー「モンベル」(本社、大阪市西区)が能登半島地震の被災者支援に乗り出し、ネット上で話題になっています。同社は今回の地震の影響により、石川県にある流通部門の施設が被災し、復旧のめどは立っておらず、店舗では富山県のモンベル小矢部店が臨時休業に(いずれも5日現在)。自社が被災しながらの支援活動に、SNSでは「自分のところも被害を受けてるのに…さすがモンベル」「モンベルがんばれ!」「最高にかっこいい」「アウトドアブランドとして尊敬してる」「いいぞモンベル」などの声が上がっています。
支援は同社が中心となり活動を続けるボランティア集団「アウトドア義援隊」によるもの。
4日昼過ぎ、同社大阪本社から寝袋やダウンウエア、アンダーウエアなどの災害支援物資を載せた2台の車両が先発隊として出発。同日夜10時ごろ、石川県羽咋市にある同社拠点に到着し、5日から物資を届ける活動をスタートしました。
募金活動も行っており、銀行振込や店頭募金箱にて援助金を受け付けているほか、モンベルクラブ会員はウェブサイトを通じて保有するメンバーズポイントが寄付できます。
モンベルグループ代表で、アウトドア義援隊の代表も務める辰野勇さんはメッセージを発表し、「阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、また新型コロナウイルス感染症に対する支援援助の折にも皆さんに呼びかけさせていただいた結果、微力ながらもお役に立つことができました。この度の大地震につきましても、取り急ぎできることから着手させていただきたく、ご協力をお願いいたします」と呼びかけています。
同社公式Xにはユーザーから「熊本地震のときもモンベルのテントは役立った」「信頼できるブランド」「わずかですがポイントを寄付させてもらいました」など、感謝や応援の声が続々と寄せられています。
アウトドア義援隊発足のきっかけは、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災でした。同社は発生直後、避難所でアウトドア用品を役立ててもらおうと、寝袋約2千個とテント約500張りを配布。この経験から、辰野さんがアウトドア関連の企業や団体に呼びかけ、アウトドア義援隊を立ち上げました。新潟中越大地震、パキスタン地震、新潟県中越沖地震、東日本大震災、ネパール大地震、熊本地震などで災害支援活動を続けています。