健康な猫しか譲渡会には出せない
光ちゃん(1歳9ヶ月・メス)は全盲猫。赤ちゃんの時から一度も陽の光を見たことがない。
愛知県在住のKさんは、保護団体から預かった子猫のミルクボランティアをしている。2022年5月、生後約1ヶ月の子猫の猫風邪が酷く、全盲になりそうな子猫(光ちゃん)が保護されたことをグループLINEで知った。
「ただ、その頃の私は毎日10匹以上の乳飲子のお世話をしていて忙しい日々を送っていました。団体に所属し、シェルター生活をしている猫のうち、譲渡会に出せるのは健康な子だけです。もしこのまま目が見えないのであれば一生シェルター生活かもしれません。主人と相談して、全盲が確定したら家族にしようと決めていました」
その後、Kさんは8月に光ちゃんを迎えた。
目が見えなくても愛おしい
「光ちゃん」という名前は、団体の代表が「目が見えなくても光輝く猫生を送って欲しい」という願いを込めて名付けた名前を引き継いだ。
光ちゃんは、子猫たちの中に1匹増えたという感じで、子猫同士ですぐ遊び始め、夢中でじゃれあっていた。元気いっぱいで、目が見えないハンディを感じさせることはなかった。
「でも、光は目が見えないので不安なのか、寝ている時以外はずっと私の後をついてくるストーカーです。膝の上が一番安心なのか、私がリビングで座ると必ず膝に乗ってきます。我が家は、冬はペットヒーターを置いていますが、就寝中はエアコン等の暖房はつけません。2匹の先住猫と光が必ず私のベッドに潜り込んで来るので、右はクゥ、左は光、枕にミィが寝ています。寝苦しくて仕方ないですが嬉しい限りです」
光ちゃんは好奇心旺盛なお転婆娘。「見えてるの?」と思うくらい普通に楽しく暮らしている。
「Xでは我が家の一番の人気者、看板娘です」
光ちゃんを迎えた時、Kさんは正直「可愛い」とは思わなかったという。
「なぜなら我が家は、元気でおめめパッチリの可愛い子猫だらけだったのです。でも、一緒に暮らしていく中で、目が見えなくても他の能力を駆使して懸命に生きる姿が徐々に愛おしくなり、今では可愛くて仕方ありません」