速水もこみち39歳「かっこいい料理男子」の現在地 「物語をつくるように作ってきた」…キッチンカーで食材を巡る旅『頂!キッチン』で見せた料理哲学

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俳優・速水もこみちさんが、キッチンカーで全国各地・海外に出かけ、出会った食材を現地で料理する人気番組、ABCテレビ『頂!キッチン Season3』が12月29日、最終回を迎えました。速水さんといえば、「かっこいい料理男子」の代表格。美味しいだけでなく見た目にも美しい料理を作り、テレビの情報番組やYoutubeで発信してきました。グルメの仕事をはじめた経緯や、速水さんを夢中にする料理の醍醐味について聞きました。

速水もこみちさんの『頂!キッチン』で忘れられない出来事

ーー 『頂!キッチン』は韓国、台湾、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイなどアジアを中心とした海外でも放送される反響となりました。

Season1からありがたいことに海外でも放送されて、今回は台湾に行くことができました。もともとスタート当初から日本全国をキッチンカーで回りたい。そして世界中の面白い食材をその産地で扱いたいという思いがありました。それはスタッフさんとも話していたことだったんです。

ーー 今回の番組の大きな特徴は料理が「旅」とセットになっていることですね。

キッチンカーはぜひやってみたいテーマでした。でもどうしても厨房スペースが車内に限られてしまうのが悩みだったんです。別の場所で作り置きをしておくとか、現地で焼く・揚げるくらいのことしかできないのではすこし物足りないですよね。そこでキッチンを車から出して広げて調理するというフォーマットにして、思う存分料理を楽しめるようにしました。

ーー 番組で忘れられない出来事は。

やっぱり産地を直接訪れるということ。景色を楽しみ、その土地の空気を感じながら生産者の方々の思いを聞くことですね。各地に取材すると食べ物を育てて、収穫することは本当に大変だとわかります。

僕は毎日のようにスーパーに行きますが、そこで売られている食材の向こうにある人々の仕事を見せていただけたことのひとつひとつが記憶に残っています。そのお返しとして料理をして生産者さんにお返しするところまでの交流を、番組を見ている方々に届けられたことも嬉しかったです。

旅をすると、その瞬間でしか感じられないことがあるんですよね。Season1の初回は千葉の金目鯛でした。それから21回。

ーー 行先を考えるなかで、ネタに困ることはありませんでしたか?

まったくないです(笑)。まだ出会っていない食材はやまほどあります。それに、正直どこにでも行きたいんですよ。和歌山の「じゃばら」のようなめずらしい食材もあれば、牛肉のような王道の食材にも奥深いストーリーがある。たまねぎもにんじんも一種類じゃない、違う美味しさがある。産地に行くからこそ毎回新しい発見があって、そこから食材とレシピの組み合わせが考えられるわけです。いい素材をどう料理するかを考えていくのも醍醐味です。

ーー 速水さんは、特に「料理をつくること」への本気度がものすごく高い方としても知られます。料理のポリシーは。

言い方が難しいけど……「物語を考えるように作る」ということでしょうか。「頂!キッチン」では旅する1日を振り返って一皿を仕上げる。ただこの料理を作りたい、というだけではなく、なぜこの料理になったのかが料理で表現されるべきだ、という思いがあります。料理を通してその土地で過ごした時間をまるごと届けられたらいいなと。

ーー 画作りも非常に凝っていて、ロードムービーを見るような体験になっています。

そう言っていただけると嬉しいですね。そこはスタッフの方とも話し合ってこだわっている部分です。

ーー 台湾編はいかがでしたか。

台湾はもともとプライベートでも訪れるほど好きな国ですが、今回のロケ先ははじめて行く「宜蘭(イーラン)」という土地でした。台北から車で1時間半、年間200日は雨が降るという台湾の水の故郷です。「三星葱(サンセイネギ)」という台湾でもナンバーワンと言われるネギが特産です。市場にも活気があり、そこには人々の生活の匂いがあり、土地柄、人柄も感じられました。それが食に凝縮されているんですよね。食を通して新しい発見や更なる魅力が伝えられたと思います。

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