JRの改札で「88万円なんて払えない」と泣く女性がいたという、X(旧Twitter)の投稿が話題になった。当該ポストによると、女性が夫のSuica定期券を不正使用したことが発覚。定期券は没収され、JRの規定で計算された違反に伴う増運賃等は「88万円」。女性は不正使用はその日1日だけであり、88万円なんて払えないと泣き、警察が出動する騒ぎになったという。
定期乗車券の不正使用についてさまざまな見解が寄せられるなか、てっしぃ〜(@teshi729)さんの投稿に注目が集まった。
定期券や乗車券の不正使用は犯罪
「実は簡単にバレます。改札機を通った時に、音がしたり、ランプが光ったりしますよね。あれ、子供料金や男女別で変えてあります。モニターでも点検しています。ラッシュ時なら難しいかもですが、単独なら簡単にバレるのでやめましょう。定期券の不正使用は犯罪です。没収で済んで良かったですね」
てっしぃ~さんの注意喚起に対して、「そういう仕組みをばらすことは言わない方がいい。不正使用が巧妙になる」という否定的な意見も見受けられた。それに対して、「大丈夫、鉄道には他にも不正乗車トラップがいっぱい仕掛けてあるから。何回もやってたらいずれ捕まるよ。人生賭けてまでやることではない」と返答していた、てっしぃ~さん。
投稿にある「不正乗車トラップ」についててっしぃ~さん伺ったところ、「システムによって違うと思いますし、現役の駅員ではないので詳細はわかりませんが、鉄道職員は手元のモニターを凝視しており、切符や定期の入出場時間を記録したり、矛盾がないかを点検できるようになっています」とのこと。
また、当該女性が請求された「88万円」という金額に対しては、元の投稿自体が虚偽だと主張する声も寄せられた。鉄道関連に詳しいてっしぃ~さんによると、「鉄道会社により規約を定めており、定期乗車券の不正利用は過去に遡って何ヶ月分とかの取り決めがあり、あり得る(金額)と思います」と言う。
「人生を賭けてまでやることではない」
定期乗車券の不正使用に関する多くのコメントの中には、「奥さんは1日分の往復料金だけを払うんじゃないの?それ以外は旦那が正規利用していたのでは?」と、当該女性を擁護する声もあった。
JR東日本「旅客営業規則」によると、「定期乗車券が無効となる場合」を記した第168条の冒頭に、「定期乗車券をその記名人以外の者が使用したとき」という文面がある。当該女性の場合、記名人以外の者が使用しているため「不正使用」に該当。不正が発覚した時点で定期乗車券は無効となる。
また、不正使用が1日だけであった場合でも、定期券に記載された利用開始日から不正使用した日までの期間「毎日1往復ずつ乗車」したとみなし、日数分の往復運賃×3倍の金額が徴収されることも、JR東日本の「旅客営業規則」に明記されている。
「定期乗車券の不正使用は万引きと同じ。人生を賭けてまでやるほどのことではないです」と、てっしぃ~さん。鉄道会社が警察に被害届を出せば、前科がつく可能性もある。社会的信用を失うことになるリスクの方が遥かに大きいことは間違いない。