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住宅ローンで加入した団信は「保険料控除の対象外」、節税のため生命保険でまかなったほうがよかった?【FPが解説】

八幡 康二 八幡 康二

団信と生命保険を比較するときの注意点

――生命保険料控除を受けられないのであれば、団信に加入せずに、民間保険で住宅ローン分の保険に加入した方が良かったのではないかと、Aさんは悩んでいるようです。

銀行で住宅ローンを借りる場合は、団信への加入が必須です。一方で、フラット35の場合は加入が任意ですので、団信のかわりに民間の保険を選ぶことも可能です。

民間の保険に加入すれば生命保険料控除は受けられます。ただし、生命保険料控除には上限があるため、すでに他の生命保険に加入している場合はその限度を超えて控除を受けることはできません。

――これまで自分が入っていた生命保険に加え、住宅ローンの金額をすべてまかなうような大きな負担額の生命保険に入ることになるので、どこまで控除の恩恵があるのか気になりますね。

その通りです。また相続税に関しても違いがあります。団信の場合、保険金は金融機関が受け取り、残債の返済に充てられるため、相続税の対象となりません。しかし生命保険の場合、500万円×法定相続人の数までが非課税となりますが、それを超えると課税対象になります。

――相続税がかかることで、ローンの返済に影響が出ることも考えられますね。

ほかにも団信に加入することで住宅ローンの金利が優遇されることもあるので、生命保険料控除だけでなく、両方のメリットとデメリットを全体的に考慮することが大切です。

――もしも団信の代わりに生命保険に加入するなら、どんな保険がおすすめですか?

住宅ローンは毎月返済が進むため、保険金が徐々に減少する収入保障保険や逓減型定期保険がおすすめです。これらはローンの残高に合わせて保障が減少していくため、無駄な保険料の支払いを避けられるメリットがあります。

――実際に団信に入らずに、生命保険料控除を受けるために民間保険で代替するようなケースはあるのでしょうか?またそのような選択肢は一般的なのでしょうか?

団信に加入せずに民間保険を選択する人もいます。しかし一般的には住宅ローンを組む際には、団信に加入する人が多いです。そもそも民間保険での代替が可能であることを知らない人や、すでに生命保険料控除を上限額まで加入している人、民間保険に加入することで支払いが増加する可能性がある人は団信を選びます。また繰り返しになりますが、銀行住宅ローンの場合は、団信への加入が必須となるため、そのような人は選択肢が限られています。

このような理由から一般的には団信に加入する人が多いといえますね。団信か民間保険のどちらかを選択する際に、生命保険料控除の理由のみで代替するケースは少なく、個人の状況や保険料などを総合的に考慮して判断しているといえます。

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