全国各地でクマによる人への被害が相次いだ2023年。各地で出没し、連日、全国ニュースで報道されてきた。人々の関心も高く、SNSにも熊にまつわる情報が集まった。動物の骨を扱う専門店を営む男性は、鋭く湾曲した形のクマの爪が5つ並ぶ写真を投稿。「雑菌だらけのこんな爪でヤル気満々のクマにぶん殴られりゃ致命傷だわな」と綴り、クマの恐ろしさを伝えた。また、実際にクマに襲われた様子を投稿した人も。注目のクマに関するニュースを振り返ります。
クマの凶暴性を伝える爪の写真が「エグすぎる」と話題
10月下旬にSNSに投稿された1枚の写真が話題になっています。写真には鋭く湾曲した形のクマの爪が5つ並んでおり、見た人たちは「エグすぎる」「クマの映像よりリアルで怖い」「爪だけで凶器」「クマを駆除するなと言ってる人、向こうはこんな爪で襲ってくるんですよ」などと恐怖におののいています。
「雑菌だらけのこんな爪でヤル気満々のクマにぶん殴られりゃ致命傷だわな」と投稿したのは、動物の骨専門ブランド「galvanic」を20年以上運営する「骨オヤジ」さん(@honeoyaji)。クマの駆除に反対する声があることを知り、「こんな爪を持つ生き物が生活圏内に来たら、悲しいけれど駆除はしょうがないという自分の考えを伝えるために」と投稿に踏み切りました。爪はツキノワグマとヒグマと、海外に生息していたシロクマのものだそう。
こんな鋭い爪で人間が襲われると、どうなるのか。石川県の公式ホームページの中にわかりやすい解説がありました。「クマによる人身被害の傷は顔面が多く、クマの爪、または牙で顔面の皮(皮膚と筋肉)がめくられたり、眼球がえぐられて失明するなどの重症を受けることがあります」(石川県「Q&Aクマとどうつきあうか?」から引用)
「雑菌だらけのこんな爪でぶん殴られりゃ…致命傷だわな」クマの凶暴性を伝える写真が「エグすぎる」と話題
クマを駆除した際、必ずと言っていいほど上がる「麻酔銃で捕獲できなかったのか」というご意見。そんな中、タレントのデヴィ夫人が「アメリカでは、クマを麻酔銃で捕獲し、沢山の果物などの食物をつけて山に帰してあげます」とインスタグラムに投稿し、「いろいろ勉強不足のコメント」「すさまじくのんきなご意見だ」と批判が相次ぎました。デヴィ夫人が唱える麻酔銃で捕獲して山に帰するというやり方はどこまで現実的なのでしょうか。
ミリタリー系のイラストや漫画を描いているX名・ねんまつたろう(@KITASAN1231)さんは以前、麻酔銃の理想と現実を漫画にして話題になりました。
【麻酔銃の現実】
・麻酔銃は動物に薬をうてる資格のある人(基本的に獣医師)しか撃つことができない。動く熊を撃つ訓練をしたことがある獣医師は少ない
・射程距離はピストル型で15m、ライフル型で40m、連発はできない
・命中しても効果が出るまで時間がかかる
・当たりどころによっては効果が出ない。熊が興奮するリスクもある
人とクマとの関係は、もちろん「共存」できればそれに越したことはない。しかし現実に被害が続出し人命が奪われている以上、放置するわけにはいきません。ねんまつたろうさんは「生命を大切にしてほしいという思いで電話をしていると思うので、その気持ち自体は大切なことだと思います。ただ、麻酔銃や駆除、現場の実態について少しでも正しい知識を持ってほしいと思います」と話しています。
デヴィ夫人「クマを麻酔銃で捕獲し山に帰してあげます」→麻酔銃の「理想と現実」を描いた漫画を読んでほしい
熊に襲われた衝撃の動画「見えにくい、笹の下から…」凄まじい力と速さの攻撃に流血…
熊に襲われたリアルな動画も話題になりました。入山許可を得て、岩手県内の山に入ったのは、X名・原生林の熊(@tennen6606)さん。山菜や天然きのこ、ジビエなどを加工・販売する工房を経営する原生林の熊さんは、朝から旬の「天然舞茸」などを収穫しながら、YouTube用の動画を撮影していました。
笹藪に向かって突如、「おいこらっ!こらぁーっ!」と、大声をあげる原生林の熊さん。その直後、薮の中から突然現れた黒い影が、ものすごい速度で襲いかかりました。凄まじい速さと力で原生林の熊さんの腕に噛みつき、さらに鋭い爪を太ももに突き刺した黒い影の正体は「熊」。想像を超える熊の攻撃力に驚くコメントが殺到しました。
原生林の熊さんは当時の心境ををこう話しています。「何が起こってるのかわからないほど、ツキノワグマの動きは早いです。熊に遭遇したのはあの時が初めてでしたが、日頃から、もし熊に襲われる!と思ったら逃げても間に合わないので闘おう、と決めて入山していました。背を向けて弱みを見せれば確実に後ろからアタックされますから。今回致命傷を負わなかったのは、熊に背を向けず、倒されなかったことが大きいです」