全国各地でクマによる被害が相次ぐ中、10月下旬にSNSに投稿された1枚の写真が話題になっています。写真には鋭く湾曲した形のクマの爪が5つ並んでおり、見た人たちは「これはエグすぎる」「クマの映像よりリアルで怖い」「爪だけで凶器」「ペットの引っかき傷でもおおごとになることがあるのに」「クマを駆除するなと言ってる人、向こうはこんな爪で襲ってくるんですよ」などと恐怖におののいています。
この爪で人間が襲われるとどうなるのか?
「雑菌だらけのこんな爪でヤル気満々のクマにぶん殴られりゃ致命傷だわな」と投稿したのは、動物の骨専門ブランド「galvanic」を20年以上運営する「骨オヤジ」さん(@honeoyaji)。動物の骨や角などが好きで、頭骨や骨格、骨を使ったアクセサリーなどを販売するほか、映画やゲーム作品などに資料協力も行う骨のプロです。
骨オヤジさんはクマの駆除に反対する声があることを知り、「こんな爪を持つ生き物が生活圏内に来たら、悲しいけれど駆除はしょうがないという自分の考えを伝えるために」と投稿に踏み切りました。
爪はツキノワグマとヒグマ、それから海外に生息していたシロクマのもの。「ツキノワグマは猟師さんから骨を譲っていただき、ヒグマとシロクマは知人や業者から譲っていただきました。全て前足の薬指か小指の爪だと思われます。クマに出会ったときの恐怖を一番イメージしやすいものをストックの中から選びました」
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こんな鋭い爪で人間が襲われるとどうなるのか。石川県の公式ホームページの中にわかりやすい解説がありました。
「クマによる人身被害の傷は顔面が多く、クマの爪、または牙で顔面の皮(皮膚と筋肉)がめくられたり、眼球がえぐられて失明するなどの重症を受けることがあります」(石川県「Q&Aクマとどうつきあうか?」から引用)
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環境省によると、今年4〜9月に発生したクマによる人身被害は、全国で死者2人、被害人数は109人に上っています(10月11日発表の速報値)。10月に入り、都市部でも目撃件数が増加しており、東京都内でも奥多摩町や八王子市、町田市などでツキノワグマと思われる目撃情報が相次いでいます。