「気をつけてください」ーーSNSに投稿された1枚の写真が注目を集めています。ドライフラワー入りのキャンドルが焦げた様子が写っており、ユーザーからは「かなり燃えていますね」「気をつけます」などの声が寄せられています。
「売り物だから安全だと…」
投稿したのはブログ「ともだちに忍者が多い人のブログ」を運営する恵水さん。
恵水さんは2015年11月ごろ、自宅でキャンドルを灯して雰囲気を楽しんでいたところ、火がキャンドルの中のドライフラワーに燃え移ってしまいました。
「『えっ、なんで』と思ったあと、逆に冷静になって、どうやって片付けたらいいのか考えたのを覚えています。火の勢いにムラがあったので、弱まるタイミングを待って火を消しました」(恵水さん)
キャンドルはハンドメードのイベントで購入したもの。
「売られていたキャンドルだから安全なものだと思い込んでいたので、よく考えたら燃えるものが混じってるし、想像出来た危険だよな、と反省しました。その後は、キャンドルは好きですが私にはボタニカルキャンドルは上手く扱えないと思い、中に可燃物が入ってないものを楽しんでいます」(恵水さん)
恵水さんは「こうなる可能性があると伝われば」と漫画にし、自身のブログやSNSで公開しました。漫画を読んだSNSユーザーからは「知らなかった」「怖い」「下手すると火事になりそう」「ドライフラワーが芯になっちゃうんだ」「手作りしている人、気をつけて」などの声が広がっています。
消防局「点火中はその場を離れないで」
ボタニカルキャンドルによる火災の危険性については、全国の消防局でも注意を呼びかけています。
愛知県の岡崎市消防本部では職員が手作りしたキャンドルを使用し、実証実験を実施。キャンドルを点火後、露出したドライフラワーに着火。急速に燃焼が拡大しました。
「『ボタニカルキャンドル』のように、ロウの中にドライフラワーなどを含ませたキャンドルの芯に点火した場合、キャンドルの芯とドライフラワーなどの距離が近いと、点火した際にドライフラワーに燃え移る可能性があります。また、距離が離れている場合でも、長時間連続で使用することで、周囲のドライフラワーが中心部に流れて燃焼が拡大することがありますので、キャンドルの『構造・使用方法』について十分確認してください」(岡崎市消防本部ホームページから引用)
同消防本部ではチラシも制作し、(1)点火する際は、長時間連続して使用せず、付近に燃えやすいものを置かない(2)点火中は、その場を離れない。外出・就寝時は、必ず火を消す(3)キャンドルの受け皿は、金属製・陶磁器製のもの等を使用し、溶けたロウが溢れないものを使用する(4)既製品を使用する場合は、取扱書の注意点を確認する(5)水での消火はしない。熱せられたロウに水をかけることは、油と同様に危険ですーーと注意喚起しています。
また、岩手県の盛岡地区広域消防組合消防本部でもホームページで実証実験を交えながら解説しています。
「ロウの中に可燃物であるドライフラワー等を含ませた場合、使用方法などによっては、キャンドルに点火した後に、時間の経過とともに、火がドライフラワー等に燃え移る可能性があります。さらには、長時間連続で使用することにより、外形が崩れ、ロウが流れ出し、ドライフラワー等が露出して火が急激に拡大することがあります。付近に燃えやすい物があると火災になる可能性が高く大変危険ですので、取扱いには十分に注意しましょう」(盛岡地区広域消防組合消防本部ページから引用)