日本で社長を最も輩出しているのはどの大学なのでしょうか。株式会社東京商工リサーチ(東京都千代田区)がこのほど発表した2023年版「全国社長の出身大学調査」によると、2万248人の社長を輩出した「日本大学」が13年連続で1位となったそうです。
調査は、同社の企業データベースにある約400万社から、代表者のデータ(個人企業を含む)を基に出身大学を抽出・集計。なお、同一人物が複数社で社長を務める場合は、売上高の上位1社を集計対象としています。また、出身大学が校名変更・統合した場合は、存続している大学名で集計したといいます。
2023年の「社⻑の出⾝⼤学」は、唯一の2万人超えを維持した「日本⼤学」(社⻑数:2万248人)が、13年連続でトップとなりました。続く2位には、9年連続で「慶応義塾大学」(同:1万617人)がランクイン。3位は「早稲田大学」(同:1万420人)が僅差で続き、3位までが1万人を超えていました。
また、近畿地方からは、8位「近畿大学」(同:5767人)、9位「同志社大学」(同:4945人)などがランクインしたほか、国公立大学では、東京大学が5年連続で10位に入っています。
一方、上場企業(地方上場含む)は、1位「慶応義塾大学」(同:289人)、2位「早稲田大学」(同:230人)、3位「東京大学」(同:213人)となり、この上位3校が200人を超えていました。
次に、出身社長数の上位100校を対象に、経営する企業の直近2期の売上高と当期利益を比較し、出身社長数全体のうち、『増収』『増益』『増収増益』を達成した社長数の割合を算出した「業績が好調な会社の社長出身大学(医科歯科大学を除く)」を見ると、増収企業・増益企業・増収増益企業で「一橋大学」(増収:61.02%・増益:55.56%・増収増益:44.91%)がトップを独占。
同大学の前身はビジネススクールである「商法講習所」を源流とした東京商科大学であり、多くの著名財界人を輩出していることから同社では、「建学以来の教育理念が実を結び、コロナ禍を経てもなお堅実な企業業績を実現した」と分析しています。
また、都道府県別では、「日本大学」が16都県でトップを占めた一方で、前年より2県減少しており、「香川県」は「香川大学」(社⻑数:157人)、「高知県」では「高知大学」(同:81人)と、地元の国立大学にトップの座を譲る形になりました。
東日本の21都道県を見ると、前年と変わらず「日本大学」が15都県でトップとなり、「宮城県」(東北学院大学/同:1091人)と「愛知県」(愛知学院大学/同:1679人)を除く19都道県でトップ3に入っています。
他方、西日本の26府県では、「日本大学」がトップを占めたのは「宮崎県」(社⻑数:134人)のみとなったものの、16県でトップ3以内にランクイン。
また、「近畿大学」は「大阪府」(同:2435人)、「奈良県」(同:226人)、「和歌山県」(同:226人)でトップ、「福岡大学」は「福岡県」(同:1689人)と「佐賀県」(同:135人)でトップを占める結果となりました。なお、複数の都道府県でトップに立ったのは、全国で「日本大学」と「近畿大学」「福岡大学」だけだったそうです。