元保護猫の「小太郎くん」は、2019年12月に保護施設でX(旧Twitter)ユーザーの飼い主(@Kota_Kota_neko)さんご夫婦と出会いました。
「施設の方からは小太郎の年齢について『生後3カ月に満たないくらい』と教えていただきました」と、飼い主さんは当時を振り返ります。飼い主さん夫婦にとって、猫をはじめどうぶつと暮らすのは初めて。「いつか猫と暮らしたい」という夢を持っていたものの、なかなかその環境が整わなかったそうです。しかし、やっと準備が整い、保護猫をお迎えしようという決意をしたときに、運命の出会いが訪れました。
「『猫を迎えたら、小太郎と名付けよう』と思っていたのですが、実際に子猫の小太郎を目にしたとき『この子だ!』とすぐに心が決まりました」と語る飼い主さん。小太郎くんの小さな姿に一目ぼれしたご夫婦は、譲渡の準備が整うまで待ちながら、年明けに迎えるための準備を始めました。
そして、年が明けたその日、飼い主さんは会社で半休をとり、ついに小太郎くんをお迎えしました。家に来たばかりの小太郎くんは体重1.3キロの小柄な体ながらも、「度胸があり大物になる風格が漂っていた」と飼い主さんはその印象を語っています。
小太郎くんとの新生活:「なんてこったい!」飼い主さんの喜びと驚き
お迎えした当初、施設の方からは「環境が変わるため、無理にケージから出さないように」とアドバイスを受けていました。
しばらくはそっと見守ることを覚悟していた飼い主さんですが、「小太郎は、家に着くとキャリーから飛び出して、ケージの中で遊び始めました」と、予想以上の適応力に驚いたといいます。わずか1時間でトイレを済ませ、ご飯を食べ、家の中を冒険し始めた小太郎くんは、まるでこの家が自分の居場所だと悟ったかのようでした。
「夜は、私の体の上にのって“ふみふみ”しながら夢の中へ。私はあまりのうれしさに『なんてこったい!』と舞い上がってしまいました(笑)」と、当時の様子を楽しそうに振り返ります。
その後も、小太郎くんは3日も経たないうちにケージのファスナーを開け、さらにクローゼットや引き出しも自力で開けるなど、探検や好奇心を満たす行動を次々と始めたそうです。リビングのドアノブに至っては「開けられないように縦型のドアノブを付けているのですが『開けて!』と訴えてきます。とても頭が良い子です」と、小太郎くんの成長を見守る中でのエピソードを語ってくれました。
小太郎くんとの生活が変えたもの:愛情に満ちた日々
小太郎くんをお迎えしてから、飼い主さん夫婦の日常は大きく変わったといいます。
「生活が猫中心になり、会話の半分以上が小太郎のことになりました。また、早く帰宅するようになったり、泊まりがけの旅行はしなくなったり、猫にとって危険のないインテリアを選ぶようになったり、気づくと猫グッズが増えていたり……」と、飼い主さんは微笑ましい生活の変化について話してくれました。
インドア派のご夫婦にとって、小太郎くんと一緒に過ごす時間は何よりも大切なものになり、部屋を散らかさないよう気を付けるようになったそうです。
また、小太郎くんを迎えたことで、猫について新しい発見があったといいます。
「小太郎と暮らし始めて、猫が思ったよりも表情や感情表現が豊かで、飼い主のことをよく観察していることに気づきました」。
また、飼い主さん夫婦は、アテレコで小太郎くんの気持ちを想像しながら会話をすることも……! 日々の生活は小太郎くんへの愛情にあふれ、家族の一員としての存在感を感じさせます。
未来に向けた思い:「ずっと一緒に楽しい日々を」
2024年10月、小太郎くんは5歳になりました。
飼い主さんは、この日、「こた、今日で5歳にゃ!(保護猫なのでお誕生日わからないけど、大体10月初めなので、10/1をお誕生日にしたにゃ)。今日はちょっといいパウチをもらったにゃ」と小太郎くんの心の声をアテレコしたコメントとともに、写真を投稿し祝福しています。
小太郎くんと過ごす今の幸せをかみしめながら、飼い主さんは、将来に向けてこう語ってくれました。
「小太郎には『生まれてきてくれてありがとう。うちに来てくれてありがとう』と伝えたいです。また、『猫又』になるくらい長生きしてほしい。小太郎が虹の橋を渡るその日まで、ずっと一緒に楽しい日々を過ごしていきたいなと思っています」