日本の葬儀文化は、地域によって多様な特徴を持つことで知られていますが、特に北海道と沖縄では、その独自性が顕著に表れているといいます。株式会社ディライト(東京都新宿区)が運営する『葬儀の口コミ』による「北海道・沖縄の葬儀の違い」に関する調査によると、北海道は「冬はブーツで会場まで行き、入口でパンプスに履き替える」、沖縄では「かりゆしウエアでの参列が多い」などの独自性がみられることがわかりました。
調査は、葬儀に行ったことがある、または参列したことがある全国の20~70代の男女1006人を対象として、2024年10月にインターネットで実施されました。
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北海道地方と沖縄地方で葬儀の際の「服装や持ち物」にどのような特徴があるのか調べたところ、以下のような違いがみられることがわかりました。
【北海道】
冬季に葬儀に参列する際、短いブーツやスノートレが一般的で、長いブーツは不適切とされています。入場時にはブーツからパンプスに履き替えることが慣例です。告別式は親戚と仲の良かった友人のみ参列し、 霊柩車かバスか選べるそうです。また、香典返しとしてコーヒーや焼き海苔などが渡されることもあるようです。
【沖縄】
かりゆしウェアでの参列が多く、通夜は基本的には身内や近い人だけで行い、通夜の翌日に出棺、荼毘に付してから告別式を行うことが多いそうです。また、数珠を持たない参列者も多く、大きな門中墓があるなど、葬儀のスタイルには独自性があります。
また、香典に関する習慣も北海道と沖縄では大きく異なるようです。「葬儀での香典で経験のあるものは何ですか」と尋ねたところ、北海道地方は「香典に対して領収書が発行された」(52.0%)や「受付で香典を渡す際、その場で中身を確認された」(47.0%)などが挙げられました。
一方、沖縄地方では、「通常通り香典を渡し、後日香典返しを受け取った」(46.4%)や「香典返しとして布(反布)を受け取った」(11.4%)などの慣習がみられました。
次に、「直近で経験した葬儀の形式」をみると、首都圏と北陸を除く地方では「一般葬」が多く、「北海道」は56.0%と東北や九州の57.5%と近い割合となりましたが、「沖縄」では62.2%と他の地域よりも高い割合を占め、従来型の葬儀が根強く残っていることがうかがえました。
さらに、「葬儀の参列者数」を全国と沖縄地方とで比較したところ、全国では「50人未満」が62.6%となったのに対して、沖縄地方では44.6%と差がみられました。特に「150人以上」では全国の9.5%に対して、沖縄では20.1%と他の地域に比べて葬儀の参列者数が多い傾向が見られました。
最後に、「葬儀を行う際の費用」を尋ねたところ、北海道は「150万円以上」(28.7%)が多くみられた一方で、沖縄では「90万円未満」が45.8%となり、参列人数が多いにもかかわらず費用が抑えられていることから、地域や家族の支えによって葬儀が行われている様子がうかがえました。
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【出典】
▽葬儀の口コミ/【地域ごとの葬儀文化の差を調査】北海道では香典に領収書がでる?沖縄では喪服を着ない
https://soogi.jp/news/1828