「昨日までイモムシだったのに！」と紹介されたのは、「んんっ〜」と言葉にならない声を振り絞り、リモコンめざして猛スピードで前進する赤ちゃんの動画。
左足の太ももから下が短い「先天性左足欠損症」で生まれてきたわが子の成長と頑張りを見てもらいたくて投稿したのは母親の、ももウサ@6mさん（@momousa_mimi 以下ももウサさん）です。
「前に進むちから、素晴らしい」
「動くスピードすごい〜」
「頑張ってる姿見たら私も頑張ろう！って勇気もらえた」
「力強くて頼もしい。そのまま真っ直ぐ朗らかな成長を」
「生きて行くんだ！ と、一生懸命の ハイハイ」
と視聴した人の心を鷲づかみ。
また、「リモコンへの執念がすごい」「リモコンへの食いつきわかりすぎる」と赤ちゃんのリモコン好きに注目する育児経験者もいました。ももウサさんは予想以上の反響に驚きつつも、「いろんな人に見てもらえてうれしい」。生まれてからの日々、これからのことを取材しました。
「足がないなら、カッコいい足を付ければいい」
2023年4月に生まれた息子さんは現在生後8ヶ月。いろいろなことに興味津々でおもちゃで遊んだり、布絵本を読んだり、好奇心いっぱい。食欲も旺盛で、ももウサさんが用意した離乳食もキレイに平らげます。ももウサさんとパパも、愛情をたっぷり注いで成長を見守る日々です。
動画の前進からもパワーがみなぎっていますが、息子さんの左足は太ももから下が短い状態。「先天性左足欠損症」と診断されています。
「妊娠8〜9ヶ月位に受けたエコー検査で、足が何度か映らないことがあり、産科の先生から、もしかしたら足に異常があるかもしれないと言われていました。当時の私は、“そんなことはないだろう”と思う気持ちを持ちつつも、もしかしたらと覚悟もしていました。足が短いことがはっきりしたのは誕生後ですが、生まれた直後に抱き上げた時は喜びいっぱいで、特に気にしていませんでした。でも、病室で1人になると申し訳ないという気持ちが込み上げてきて…」。
泣いていたももウサさんに、夫がかけた言葉は「足がないならカッコイイ足を付ければいい」。「“何でそんなふうに言えるの？”と彼に聞いたら、生まれてすぐに笑った息子の写真を見せてきたんです。そして、“この笑顔を見ていたら、足のことなど大したことないと思ったんだ”と。それを聞いて、私も息子に対し前向きに向かっていこうと決めました」。
8月からX（旧twitter）への投稿を開始したのは、「息子と同じような症状の子がいないか、ネットで情報を集めようとしたのですが、なかなか出会うことがなくて…。私たち自身、不安でいっぱいです。でも、息子の姿を発信することで、似たような症状の子や不安を持ってる親御さんたちに少しでも希望を持って貰いたいなと思ったんです」。同時に、似たような症状の人から、何らかの情報をいただけたら、という思いも持っています。
そんな思いでの投稿のひとつが冒頭の動画でした。「動画をきっかけに“知り合いに義足の人がいるので 聞きたいことがあればぜひ” などの情報をいただき、感謝していますし、 “恩師が義足でしたが、スポーツでも何でもこなせてました”とのコメントを読んで、息子の将来が楽しみになってきました」とももウサさん。
また、 “頑張れば何だって出来ると教えてくれる”とのコメントには、「息子が誰かに希望を与えられることができて、嬉しい」と感じたそう。「可哀想じゃなくて 凄いね！頑張ってるね！ って言ってくれた方が何倍も嬉しい」とももウサさん。
もちろん、育児で頭を悩ませることは多々ありますが、「息子の笑顔を見るのが大好きですし、初めての寝返り、ずり這いなどできることがどんどん増えていく息子を見るのが楽しくて仕方ありません。成長が早いなと感じています！」。
Xでも「春に短い足を切断しその後義足を作る形になりました。今後の息子の成長が楽しみです」と報告。今後について伺うと、足の手術へも「不安などは一切ありません！むしろ一緒に歩けることを楽しみにしています」と話してくれました。
「色んな子と遊べる環境できたらいいなぁって考えてます。まだうちの子は子供と遊んだことがありません。義足でも気にしないよ〜って人おったらお願いします」とも投稿しています。息子さんが成長するにつれ、外に出ていく機会も増え、友達も増えていくのではないでしょうか。
ももウサさんたちの願いは「明るく何事にも前向きで、人に優しくできるいろんな人に好かれる人になって欲しいです」。
ご両親のスーパーポジティブ精神を受け継いで、かっこいい足をつけて、力強く前に突き進む姿、楽しみに待っています。
■ももウサ@6mさん X @momousa_mimi
