「赤地に白い横線が描かれた円形の標識」の意味…覚えていますか? よく似た“紛らわしい標識”にご注意

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

赤地に白い横線が描かれた円形の標識…みなさんどのような意味かご存知ですか。答えは「車両進入禁止」です。運転しているとよく見かける標識のひとつですが、実は見た目がよく似ていて、紛らわしい標識があるので、注意が必要です。

「車両進入禁止」の標識

進入禁止の標識がある場合、原則としては全車両の進入が禁止されています。全車両なので、リヤカーや自転車も対象です。

例外がある場合は、「自動車・原付」「10-18」など対象となる車両・時間を示した補助標識がついています。「自転車を除く」という補助標識を見たことがある人も多いでしょう。

▽一方通行の出口に必ずある

この進入禁止の標識をよく見かけるのが、一方通行の道の出口側です。ここからも意味が分かる通り、この標識は「こちらからは進入してはいけない」という意味であって、「この道をクルマが通ってはいけない」という意味ではありません(その場合は「車両通行止め」の標識が使われます)。

▽違反をすると罰則も

進入禁止に違反すると、違反点がつくとともに反則金を課されます。違反点数と反則金額は、以下の通りです。

・違反点数 2点
・反則金額 大型車:9,000円/普通車:7,000円/二輪車:6,000円/原付車:5,000円

※反則金とは、軽微な違反に対して課される行政上の制裁金です。違反ごとに一律で決まっており、反則金を支払うことで刑事処分が免除され、手続きが完結します。あくまで刑事処分の免除を受けるための処理であるため、刑事手続で白黒ハッキリつけたいという人は反則金を納付せず、刑事手続を受けることも選択できます。

紛らわしい標識「車両通行止め」

進入禁止とよく似た標識として、上記の「車両通行止め」があります。赤い円の中に、赤い線が斜めに1本引かれたデザインとなっています。こちらは進入禁止とは異なり、進行方向を問わずクルマが通行することを禁止しています。

これも原則としては自転車を含む全車両が対象であり、例外がある場合は「軽車両を除く」「路線バスを除く」「10-18」などの補助標識が付けられています。

▽標識はなくても進入できない場合

進入禁止の標識がない場合でも、進入や通行ができない場合があります。例えば、道路交通法には以下のような条文があります。

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交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。(道路交通法第50条)

   ◇   ◇

つまり、交差点内が混雑しているなど「そのまま進行すると交差点の中で停止することになって、他のクルマの迷惑になる」という場合には、交差点への進行をしてはならないということです。似たようなケースとして、以下のような場合も進入が禁止されています。

・停車禁止エリアで停止してしまう可能性がある場合(例:警察署や消防署の前)
・線路上(踏切の間)で停止してしまう可能性がある場合
・横断歩道や自転車専用で停止してしまう可能性がある場合

▽この場合にも罰則がある

交差点等への進入禁止違反については、以下のように罰則が決まっています。

・違反点数 1点
・反則金額 大型車:7,000円/普通車:6,000円/二輪車:6,000円/原付車:5,000円

標識を確認するのはもちろんですが、それだけでは不十分な場合があります。周囲の状況を把握して、安全な運転を心掛けましょう。

   ◇   ◇

進入禁止標識に関して、交通事件などに係る法律相談を行っている弁護士の梅澤康二さんは以下のようにコメントしています。

「都市部や住宅街では一方通行道路がそれなりに多いため、進入禁止の標識に出くわす場面は少なくないと思われます。このような標識を見落としてうっかり進入してしまった場合でも、交通違反の責任を免れることは難しいことがほとんどです(警察は『標識が見えなかった』と言ってもあまり聞く耳を持たないことが多いように思われます。)。特に細い路地等に入る場合は注意しましょう」

   ◇   ◇  

【監修】中古車のガリバーが運営・クルマのギモンにこたえるサイト「norico」編集長・村田創
中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

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