高齢の飼い主が無念の決断 悲しい別れを経験した9歳超のチワワ 新しい家庭を待っています

松田 義人 松田 義人

九州を拠点に行き場を失った犬猫を保護し、新しい里親さんへと繋ぐ活動を行うボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)。2023年6月ごろ、はぴねすにある相談が持ちかけられました。「犬を飼っているが、飼育を続けるのが困難になり引き取ってほしい」というもの。この相談者は高齢でワンコの世話ができなくなり、親族でも犬を飼う意思がある人はいないといいます。

はぴねすはこのワンコを引き取ることにしました。

元飼い主の高齢者はレンくんを大切に育てていた

このワンコはチワワのオスで、「レンくん」という名前です。保護当時で9歳ほどで、白と黒の毛色と大きな目が特徴です。レンくんは大事に世話をされたように感じられました。

相談者は高齢で膝を悪くしており、散歩中に何度も転びそうになったそうです。限界を感じた相談者は、「弱った体の自分が飼うよりも、他の誰かにお世話してもらったほうがレンくんにとって幸せなのではないか」と思うようになったと言います。

正論を言えば「最期まで面倒を見ることが、動物を飼う上での最低条件」です。しかし、相談者はこのことを十分承知した上で、それでもなお「これ以上の面倒は難しいから」と、泣く泣くレンくんを手放すことに決めたようでした。スタッフは「事情は分かりました。責任を持って引き取らせていただきます」とレンくんを保護することにしました。突然飼い主と別れることになったレンくんは寂しそうな表情を浮かべていました。

健康かつ躾も良好。ただし気分屋な一面も

レンくんは食事などは与えられていたと言いますが、適切な医療行為は受けていなかったそうです。そのため、スタッフは保護してすぐに動物病院に連れていきました。特に異常はなく、すぐに去勢手術、歯石除去、マイクロチップ挿入、ワクチン接種などを終えることができました。レンくんははぴねすに参加する預かりスタッフの家でしばらくお世話を受けることになりました。

相談者の躾が行き届いていたためか、初めての環境でもレンくんが問題行動を起こすことはなく、室内でトイレを失敗することはまずありませんでした。知らない来客が来ても無駄吠えするようなことはありませんでした。また、夜寝るときもケージの中に入って静かに寝てくれました。

「なんてお利口さんのワンコなのだろう」と感心する預かりボランティアさんでしたが、その一方で、少々気分屋なところもありました。

レンくんの気分が乗らないときに抱っこすると、「やめてくれ!」と言わんばかりに腕からすり抜けて逃げていきます。そうかと思えば、甘えたいときには預かりボランティアさんの腕の中でうれしそうに過ごすこともあります。

オス犬としての本能からか「自分より下だ」と見なした人にはマウントをとろうとすることもありました。お利口さんでありながら、ワンコ特有の本能も合わせ持っているのがレンくんということになりますが、預かりスタッフさんは「この程度なら飼いやすいほうです。レンくんはちゃんとお世話されていたんだと思います」と、さして問題として捉えることはない様子でした。

新しい家には先住犬がいないほうが望ましい

健康状態もバッチリで、多少気分屋な面がありながらもお利口さんでもあるレンくんは、程なくして里親募集を開始しました。

9歳を超えたシニア犬ですが、ここまでの紹介の通り、お世話しやすいワンコでもあります。そのため、「初めてワンコを飼う」という人にもオススメできそうです。ただし、これも前述の通り、マウントをとりたがる傾向があるため、先住犬がいる家庭への譲渡はハードルが高いことが考えられます。

そのため、レンくんだけを迎え入れてくれ、たっぷり愛情を注いでくれる家庭のほうが向いているようにも思います。

大好きだったであろう元飼い主と突然別れることになったレンくんだからこそ、これから先は、二度と悲しい体験をさせず最期まで寄り添ってくれる里親さんとの出会いを祈るばかりです。第二の犬生として新たな家族を待つレンくんに、近い将来、幸せが訪れますように!

わんにゃんレスキュー はぴねす
https://ameblo.jp/happines-rescue/




おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース